ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

コーディネートはいつ決める

Kindle Unlimitedの利用機会が増えた。

紙の本ももちろん読むのだけれど、持ち歩くのは結構億劫だ。電子書籍ならスマホとかkindleで何冊も持ち歩けるので便利。本は紙じゃなければ風情がない!なんてこだわりもないので(というかそんなこだわりのある人は今時どのくらいいるのだろうか)十分だ。

ついさっき読み終えた本がある。なんでも時間管理・効率化のためのハウツー本のようでアマゾンでの評価は星5つが並んでいる。Kindle Unlimitedの対象なので失敗しても無駄になるのは時間だけ。手軽といえば手軽である。

著者は様々な工場で生産現場に立ち会ってきて、その中で得た効率化のノウハウをその本で公開しているとのこと。

プロフィールを読んでみるとまず目につくのは著者の写真。着物を着ている。中国での勤務歴が長いらしい。そしてプロフィール欄には「海外での生活が長いことによって逆に日本の素晴らしさに気づき日本の誇りを実感した」とある。それで着物か。漂う地雷臭。

まあ物は試しとダウンロードしてみた。130ページくらいのボリューム。軽い。ブログに毛が生えたようなものじゃないのか?"この本は1時間30くらいで読めます"。なるほど。24分の1.5。

15分後には読み終えたのだが。別に僕が速読法をマスターしているからでもなんでもなく単純に中身がその程度のものだったわけだ。特に目新しさも特筆すべきこともなし。いまどき290円で食べられるとんこつラーメン屋のお湯を白く着色しただけのような薄いスープにただの小麦でできた棒以外の何物でもない麺を入れただけの代物のようである。あの星5つをつけている人たちは一体なんなのだろう…。

本の中で気になった箇所がある。"時間効率化を考えるのなら、朝にその日着る服のコーディネートに頭を悩ませ5分も時間をかけるのは無駄"というの主張だ。解決策は前日に翌日の服装のコーディネートを決めておけば良い、というのだ。

そうすれば翌日の朝、5分間余計に寝ていることができる!貴重な睡眠時間をこのように確保する、というわけだ。すやすや。

しかしちょっと待ってほしい。朝余分に寝ていられる5分はどこから来たのだろうか。1日が24時間であることに変わりはない。世界中で、富裕層だろうが貧困層だろうが、大人でも子供でも変わらない。

朝5分余分に寝られる時間を作るため、前日にコーディネートを決めておく。待てよ…。

そうすると前日は5分寝るのが遅くなるのではないか…。なんてことだ。朝余分に寝られる5分は前日の自分が5分余分に労働した結果なのだ。

それは時間効率化の素晴らしいアイデアではない。まして人生の真理でもない。

今の自分が未来の自分に5分プレゼントしているだけなのである。しかし5分余分に寝るのと5分早く寝るのとではどれだけの違いがあるのだろうか。

確かに、朝5分余分に寝られるのは幸福かもしれない。しかし1日をすっきり始めたい場合は5分間ベッドの中でうだうだしているよりはさっと起きた方がいいのではないか。(ただし猫がコタツで丸くなるような真冬は除くべきであるが)

個人的には毎日をすっきりと始めたいのであれば5分早く寝る方がより良いと思う。寝る前にスマホなんかをいじっていると翌日確実に後悔する。もっと早く寝ておけばよかったちくしょう、と。それを考えると早く寝る方がストレスも体調もいいのではないか。

もっと言えば明日の朝すれば良いことをわざわざ寝る間を惜しんでする必要はない。明日の朝悩まなければならないことは明日の朝の自分に悩ませれば良いのだ。

 

世の中に多数出回っているハウツー本というのは大抵こんなものである。一見真理っぽいことが書いてあるものの、よく考えたら(あるいはよく考えなくても)全然大したことではなく、むしろ人生を無駄に複雑にしてない?ということが書いてある。

ただ雰囲気でなんとなく「ああぁこれこそライフハックだ!」みたいな印象を読んだその場では与える。特に人生に悩んでいる人、道を探している人はこういうのに惑わされやすい。

個人的にこういうハウツー本はダメだなというのを考えてみる。

・タイトルがやたら強い言葉

・著者の実績がよくわからない

・表紙がよくあるベストセラー本に似ている

・改行がやたら多い(ページのかさ増し)

紙の本だと購入前にわかるのはこのあたりだろうか。装丁がベストセラー本に似ているというのは著者本人より出版社の意向があるのかもしれないが、要するにベストベラー本の仲間みたいに錯覚させて買わせたいのだろうから結局売る側である出版社も中身に自信がないのだろうと思うことにしている。

新型コロナウイルスで在宅勤務になったり外出自粛要請で本を読む機会が増える人も多いと思う。また先行き不透明で特に雇用関係で不安を抱く人も多いだろう。

そうした心理につけ込んだいたらないハウツー本がこれからもたくさん出るだろうけど惑わされないようにしたいところである。

間違ってもよくわからない著者が思いつきで書いたような再現性の低い"これからの働き方"として安易にフリーランスを進めるようなモノに飛びつかないようにしたいところです。

 

いまKindle Unlimitedで読むなら江口寿史せんせーの漫画がおすすめである。特に「ストップ!!ひばりくん!」は僕のような40代の人間にとっては懐かしくてたまらない。

80年代のカルチャーはなんだか軽薄で昔は好きではなかったのだけど、年を追うごとに好きになっている。なんでだろう。

幼稚園の頃は枕カバーがなぜか江口寿史せんせーのもう一つの代表作「すすめ!パイレーツ」だった。うちの親はああいうギャグ漫画を読むタイプの人たちではないのだが、なぜパイレーツをチョイスしたのだろうか。とても気になる。

ちなみに3月は高橋よしひろせんせーの「銀牙」シリーズを読んだ。めちゃくちゃ長いので時間は恐ろしく無駄にしたが。いや無駄じゃないけど。

あと銀牙読んでたら犬が飼いたくなりました。わん。

Kindle フロントライト搭載 Wi-Fi 4GB ブラック 広告つき 電子書籍リーダー
 
すすめ!!パイレーツ 完全版 第1巻

すすめ!!パイレーツ 完全版 第1巻

  • 作者:江口寿史
  • 発売日: 2016/07/17
  • メディア: Kindle版