ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

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東北楽天ゴールデンイーグルスの安楽選手が複数の後輩にパワハラをしていた、という報道がされている。

 

報じられているパワハラの内容はかなり詳細なもので、体育会系によくあるちょっと強めの可愛がりのたぐいではなく、パワハラであることの可能性は高いだろう。さらにパワハラの現場には”マー君”こと田中将大選手も居合わせて、ハラスメントを見ながら笑みを浮かべていたという。最近はスポーツ界でもコンプライアンスの研修などやっているのだろうし、以前よりはマシになったのかもしれないがまだまだこうした後輩いじめ、パワハラは存在するのだろう。

 

パワハラをはじめとするハラスメントが発生する背景にはやはり組織の問題がある。もちろん個人の資質も大きいとは思う。しかし環境によっては誰もがハラスメントをし得る可能性が存在する。どれだけ聖人君子に見えても、誰からも人畜無害に見えてもやるときは、やる。そういうものだ。

 

安楽選手のケースでいえば、やはり田中将大選手がその場にいながら特に咎めだてせず見ていたというのが安楽選手の行為を増長させた原因の一つではないだろうか。楽天における田中将大選手の存在感は絶大だ。なにしろ2013年にはシーズン無敗という前人未到の記録でチームを初の、そして唯一の日本一に導いた。別の報道によれば安楽選手は田中将大選手に可愛がられていたという。チーム内で安楽選手の行為に容易に口出しできない雰囲気があったのは想像に難くない。

 

そしてそんなチーム状況を把握できなかったチーム首脳の管理不足も当然指摘する必要がある。選手としての安楽智大は楽天というチームにとって貴重な戦力であるものの、しかし抜けたら困る絶対的な主力というわけでもない。そんな選手がなぜここまでのことができたのか。被害を受けた後輩選手は複数人にのぼるという。やはり根本的なチームの問題があるように感じる。いま一般企業ではパワハラに関する相談窓口を設置することが義務付けられているし、相談があった場合何らかの措置を取らなければならない。プロスポーツというのは特殊な世界かもしれない。パワハラ被害を受けたなんて選手にしても相談しづらさもあるだろう。

 

しかし結果的に選手からの告発を受けてこれだけの大事になったのである。ことは安楽選手個人の資質の問題として済ますのではなく、これを機にハラスメント撲滅のための仕組み、体制を作り上げることが求められる。報道を見る限り、パワハラの内容とされるのも実に幼稚な内容である。なんというかいい年下大人がさせるものではない。学生のノリだ。相談体制の充実と、選手個人に対しては成熟した人間とはどういうものかという人間教育(個人的にはあまり好きな言葉ではないけど)が必要だ。

 

プロ野球、Jリーク、大相撲、競馬界など先輩や上司によるパワハラ、いじめが表に出るスポーツ界は多い。報道されないだけでやっているところはあちこちであるのだろう。スポーツ界も早急に変わらなければならない。