新年早々すごい話題がきた。
ゾゾタウンの前澤社長が自身のツイッターアカウントをフォローし、あるツイートをリツイートした人の中から抽選で100人に100万円を配るお年玉企画を打ち出した。総額1億円だ。この記事を書いている1月7日の23時50分の時点(締め切りは23時59分)で550万回近くリツイートされ前澤氏のフォロワーも600万人に迫る勢いだ。
100万円に群がって空っぽの捨アカウントが大量に生産されたり、前澤氏のアカウントを真似た偽アカウントが登場しピュアなキッズの個人情報をダイソン並みの強力モーターで吸引する。平成の終わりの地獄です。
僕自身についていえば100万円は、欲しい。そりゃあもうめちゃくちゃ欲しい。確かに僕は勝海舟が好きだ。だからと言って福沢諭吉と仲良くしてはいけない理由は、ない。野口英世のことはいつも大事に思ってるが、諭吉だって側にいていいんだぜ。万札の風呂に入りたいとは思わないが(よくプロレス雑誌などの背表紙にある開運ブレスレットで幸運を呼んだやつが入ってる。一度知りたいのだがああいうモデルのギャラはいくらぐらいなのだろう)、
しかしその100万円は僕自身が稼いだものでなければならない。誰かの気まぐれで空から降ってくるものではない。決して。カッコつけやがって、と思われるかもしれない。自分に酔ってるんだろ。スカしてないで拾えよ。そういう人もいるだろう。こんなのただのお祭りなんだから参加しなきゃつまらないぜ。ああそうですか。
でも僕はカッコつけていたいし、スカしていたい。
お祭りは嫌いではないが、好きでもないお祭りに参加して踊るほど賢くもいられない。
そういえば年末に山本太郎参議院議員が生活困窮者への炊き出しに参加していたそうだ。一部から売名行為と叩かれていた。山本議員はフォロワーに配るべき1億円は持っていないだろう。しかし弱者へ配る心は持ち合わせている。
それでいいじゃないか。
もうすでに抽選は終えて、当選者には連絡がいってるということだ。ツイッター上でも当選DMをスクショしている人がチラホラ見受けられる。おめでとうございます。
一方、抽選に漏れてしまった人。落胆する必要はない。ただいつもの日常に戻っただけけなんだから。そういえばこの1億円お年玉企画。広告効果を考えるとむしろ安い。上手い戦略だ、って意見を目にするけどどうなんだろう。1人で複数のアカウント作って応募している人もいるみたいなので実際の応募者数は分からないけど、それでも数百万人はいるでしょ。中には抽選から漏れたことに逆恨みに近い感情を抱く人もいるんじゃないかね。もちろん逆恨みする方に問題があるんだけど、そいつが仮になんらかの危害を加えてくるようなことがあればとんでもない損失が出ることになる。そう考えると結構危険な企画の気もする。そういったリスクも踏まえたうえで実施しているんだろうけどさ。
もし自分が応募してかつ100万円あたっていたらどうなっていたんだろう。
ラッキー!!とは思うだろう。
で、思い通りに使ったとする。その時どんな気持ちになるのであろうか。
また100万円欲しい!!と考えるんじゃないかという気がする。
じゃあ自分で頑張って100万円稼いでやる、と言ってもそんな簡単にはいかない。僕の場合は幸いにというか自営業だ。だから自分の頑張り次第では収入を増やす手立てはないこともない。もちろん減ることもある。いきなりゼロになったり。ふげ。
しかしサラリーマンだったらきついだろうな。そんな簡単に給料上がるものでもないし。毎年の定期昇給なんて知れている。しかし美味しい思いを一度してしまったら、それを忘れ去るのはなかなか難しいような気がする。もしかすると100万円で豪遊した快楽を忘れられずに、その後自分の収入の限度を超えて浪費してしまうようになるかもしれない。やじろべえが傾いた。
お年玉企画に軽い気持ちで参加したばかりに後々破産することになるなんてシャレにもならない。まあそれは極端すぎるか。しかし金銭感覚は一時的にせよ狂いそうだな。
平凡な人生が最強だ、とか普通が一番、などというつもりはない。むしろ何かに熱狂できる人間の方が強いと思う。しかしその熱狂の渦は自らが作り出すものであるべきではないだろうか。他人が作った渦の中で踊るのは目が回る。目が回っては景色が見えない。どうせなら僕は景色が見える方がいい。だからどんなにちいさなつむじ風でもいいので自分で渦を作りたい。