ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

腐った肉

和牛の商品券ってマジか。この国の政治家はそこまで頭がおかしいのだろうか。

 

この緊急事態に和牛の商品券なんて配って、家庭でパパが「よぉーし、今日は奮発していいお肉買ってきちゃたぞぉ」なんて言って子どもたちが「やったぁ!今日はすき焼きだね♡」とはしゃぐとでも思ってんだろうか。何丁目の夕日だよ。黄昏だよ。日本は。

 

なによりも腹立たしいのは和牛の商品券を考え付く奴の頭の中には「肉を食えない人」の存在がいないこと。僕自身は菜食主義者ではないので肉は食う。だけど世の中には主義主張として肉を食わない人もいる。そういう人が利益を受けられないのは自己責任だとでもいうのだろうか。あるいは健康面から肉を大量に食べられない人もいるだろう。そういう人に和牛の商品券など配っても不要不急のムダなもの以外の何物でもない。何かの政策を決定するときにこうした零れる、漏れる人たちをどうやってなくすのか、代わりのケアはどうするかを考えなければならないのだろうか。こんなのでよくSDGsなんて言ってられるな、政府は。そもそも発案者の頭の中に「自分とは異なる価値観の人間がいる」という発想がないと思われるのが腹立たしいんだ。和牛の商品券をもらっても喜ばない人がいることくらい想像できないものなのか。そんな貧困な想像力の持ち主が政策決定の中枢にいることに呆然とする。

 

一方で別のことも考える。もしかするとこれはわざと「和牛の商品券」なんてワードを報道させたのではないか、と。世間はさすがにこれは舐め過ぎだろ、となる。そこでテッテレー!はい!現金3万円~!なんてやれば「うん…まぁ…和牛の商品券よりはましだよね…」と少額の現金給付でも国民を納得させることができるかもしれない。と考えてるのかもしれない。しかしこの緊急事態にそんな悪魔的にセコイことを考え出すやつがいるのだろうか。

 

あと個人的には今回の緊急対策は現金給付ではなく現金還付だといって欲しい気はする。国が「ほら、保護してやるよ。感謝しろ」と上から目線で配るのではなく、国を形作っているこの国に暮らす人への敬意をこめて還元いたします、だと思うんだよね。残念なのは為政者たちに国民に感謝する気が一向にないところだね。たとえば麻生なんかは「現金配ると貯金に回る。経済に結び付かない」なんて言っている。国民に還付するお金の使い道をなぜ為政者に口出されなければならないのだ。もしかすると為政者の中には「俺達が行為で金を配ってやっている」と考えているのがいるのかもしれない。バカ言うな。国のカネは国のものでそれはつまり国民のものだということだ。権力者のモノではない。

 

緊急事態に「現金だ、いや商品券だ」と綱引きしている連中(特に商品券サイド)は絶対に国民の方を向いていない。そのことは忘れないでおこう。商品券は使わなくても選挙権は使おう。ぜい肉は運動すれば落とせる。腐った肉は選挙で落とせる。