ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

軍事政権は、ご勘弁

けっこう愕然とする。

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まあ確かに大学生程度の知識知性なんてごく浅いものだというのは自分の経験上分かる。政治?社会?そんなの知らない。彼女(彼氏)、友達、ファッション、音楽、バイトに遊び。多くの大学生の脳内なんてそんなものだろう。1990年代の学生はもっとひどかったかもしれない。

 

さあその結果どうなったかというと、あまり知性的ではない大人が大量生産されたわけだ。40代になってふつふつと感じるよ。だからこそ若い人たちには危機感を持って欲しい。おっさんのせつなるお願い。カモン東方の三博士。

3年生の女子学生は言う。「人権侵害があったのは知っています。それは軍政の悪い一面だと思います。だけど、それがあるから軍政が絶対にダメだとは言い切れないと思います。難しいとは思うけど、軍政と民政の中間点のような、民政の下で軍の力を強化する。また、自由を抑える限界というのを決めておいて、全てを制限するのではなく、かつ暴力も使わずに統治することができるのであれば、軍がトップに立つことも可能なのではないでしょうか」 

 いったいどういうことなんだろうか。

自由を抑える限界というのはなんだ。ここはお江戸か。時代劇は好きだけど、おふざけは日光江戸村の中だけにしてくれよ。

自由を抑える限界が設けられているのであれば、それはもはや自由ではないだろう。

 

人権宣言をどうぞ。

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すべての人間は生まれながらにして、自由であり平等なのである。

限界を設けられた自由など、ない。

 

日本国憲法では、自由は公共の福祉に反しない限り尊重される、とある。この女学生の考える制限っていうのはもしかするとこのことを言ってるのかもしれない。

 

しかし軍政下における制限と公共の福祉とをごっちゃにしてはいけないだろう。公共の福祉では、たとえば誰にでも表現の自由がある、だからといってヘイトスピーチをしていいというわけではない、といえばイメージしやすいか。

 

たとえば公務員が国家機密をべらべらしゃべっちゃいけないのも社会の利益を損ねるからだ。秘密の漏洩により他の国民が被害を受けるようなことがあってはならないから守秘義務が成立する。

 

一方で軍政下における制限は、国民一人ひとりの自由と平等のために設けられるのではない。むしろ国民一人ひとりの自由を取り上げるために設けるのだ。より良い統治体制を築くために自由に制限を設けるなんていうのはまったくもってナンセンスだ。

 

3年生の女子学生は言う。「私は民主主義が絶対ダメだと言っているわけではありません。ただ、今の国会を見ていると、敵対する相手の悪いところを探り出し、おとしめることばかりに時間を費やしているように見える。もし絶対的なリーダーがいて、正しい道を分かっているのなら、その人に任せた方がいいのかなと思います」 

 僕は民主主義が絶対正しい不可侵に神聖なものとは考えていない。

しかし、この意見はさすがに1bitすぎる。そもそも自民党も立憲民主も公明も維新も共産も自由党もみな日本人なんだ。敵味方で分けるものではない。主義主張が異なるだけだ。世の中は敵と味方だけでできているわけではない。

 

そもそも国会を見ていてその程度の感想しかないのであれば、自分の知性を疑った方が良い。なぜ国会が紛糾しているのか、原因があるだろうに。その原因を作っているのはいったい誰なんだい?

 

入管法、水道民営化、森加計問題、不明瞭なお金の流れがあるものの、一向に説明をしない甘利氏や片山氏。

 

「絶対的なリーダー」とはなんだ?いやリーダーってなんだ?

 

たとえば企業におけるリーダーであれば、一定の水準に満たない部下を切り捨てる非情さも時には求められる(これについては賛否あるだろうが)。

 

しかし政治におけるリーダーは、国民を一人残らず救うことが求められる。一定の水準に満たない国民を切り捨てるなんてことは絶対に認められないのだよ。しかし軍政下ではそういったことが起きうる。それは歴史が証明している。そして歴史を学んだ結果、軍政はダメだという結論になっているのではないか。

 

「たとえ、反対した人がいても、選挙で票をいちばん集めた政党が国の代表になる。民主主義とはそういうものじゃないですか。いまだったら、それは自民党。それは受け入れざるを得ないと思います。それがたとえ、自分が支持していない政党であっても、他の多くの国民が支持していれば、その政党が政権を握ることを認めなくてはいけない」と、3年生の女子学生。

 ほー。

「今の日本はすぐに反対の声が出てくる。そういう人の方がどちらかというと、独善的だという気がします。私は個人的に、自分が投票した党が政権につかなくても、たとえ納得いく政策がとられなかったとしても受け入れます。それが民主的なんだ、ああ今はこれ(が民意)なんだって」 

 奴隷の国だなぁ。

そうして奴隷たちがさらに弱い外国人技能実習生という奴隷をこき使うわけだ。

頭が痛いよ。

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フランス人は抗議した。マクロンを大統領に選んだのは彼らだ。それでもおかしなことをすればこうして抗議する。声を上げる。

 

それは彼らが自由の価値を知っているからではないだろうか。民主主義の意味を知っているからではないだろうか。

 

僕には「たとえ納得のいく政策がとられなかったとしても受け入れます」なんていう選択肢は、ない。

 

おかしいな、と思いながら「私には関係ないか」となにもしない方がよほど独善的ではないだろうか。いまはそれで良くても10年後20年後後悔することになるよ。

 

でも彼らのような思考回路の持ち主は、自分たちの選択の結果とは思わないのだろう。きっと‟敵”を探して「今の自分が苦しいのは“敵”のせいだ」と考えるのだろう。

「私はその考え方に反対ではありません。独裁というと、ナチスを連想する人も少なくありませんが、私が思うに、ヒトラーは国民が言えずにいた不満を代弁したから、最初の頃は支持を得ていたことも事実です。もし『ライト独裁』という制度ができて、国民の代弁者が出現したとしても、必ずしもヒトラーのようになるかといえば、私はそう思いません。逆に、ヒトラーを生み出してしまった苦い経験を得ている今だからこそ、そういう人物を生かすやり方も分かってくると思います」 

 やはり学生というのはピュアだ。

独裁者を「生かすやり方」とは何だろうか。もしかすると独裁者を民衆でコントロールできると考えているのだろうか。そうなると民衆こそが真の独裁者であるという問いかけなのか…。もし本当に独裁者を民衆がコントロールできる方法があると思っているのであればお花畑も度が過ぎる。

 

ここまで書いてきて思ったんだけど、こういう子たちを誘導するのって簡単だよね。

そういうビジネスを立ち上げたら実に簡単に儲かりそうだ。搾取できそうだといってもいい。

 

次の記事ではそのことについて考えてみたい。