三浦瑠璃氏が徴兵制を訴え「批判や反論待ってまぁす♡」と言っている。僕は徴兵制は嫌だ。例えばお隣の韓国では徴兵制がある。いや、サッカーでさ、自分の応援しているチームにも韓国人いるんだけどあと数年したら徴兵されるんだよ。否応無しにその選手は韓国に帰らないといけない。2年ほど選手として一番脂の乗った年齢の時に強制的に身分を拘束されるんだよ。応援してる身としてはつ、つらい、となるでしょ。その選手がレギュラーだったらチームだって弱体化してしまう可能性がある。選手自身も徴兵あけてプロとして復帰したとしてもブランクから思う通りプレイできないかもしれない。何もサッカーに限った話じゃないんだよね。仮に日本に徴兵制ができたとして20代後半から30代にかけての仕事や私生活が充実する頃に数年間拘束されるのはどう考えても国力を落としかねない政策だ。ましてや少子化で労働人口は減少の一途をたどっている。日本にそんな余裕はないだろう。自衛隊や戦争に対して当事者意識を持てというが、そんな当事者意識を持たないでいいように平和な世の中にする努力をするのが政治家の仕事だろう。外交なり内政なりでできることはまだまだあるでしょ。コストがどうたらというなら若者が徴兵で数年間生産活動できないことのコストはどうするんでしょうか。
と思ったら、生産力を落とさずに徴兵する方法を思いついてしまった。外国人労働者を完全に自由化の方向に開放してしまうことだ。外国人労働者が働き、日本人は徴兵され国の安全を守る。これでどうだろう。コンビニも工場も介護施設も商社も金融機関も外国人労働者だけで頑張って運営してもらおう。それなら日本の経済を落とすことなく、安心して若者を徴兵できる。そうとなれば徴兵期間は2年とか3年なんてセコイことを言わずにいっそ25年くらいにしてはどうだろう。大学でてすぐに徴兵なんてのもかわいそうだから2〜3年ほど遊んでも良い。25歳になったら徴兵に応じないといけない。徴兵の最低年齢を成人年齢の18歳にして、早く入隊したものはその分早く退役することができるようにしておく。で、仮に25歳で入隊すると退役は50歳だ。立派な退役中年。退役後は年金で悠々自適に生活してもらう。年金の原資は外国人労働者たちが治める社会保険料だ。国防は日本人が担い、経済は外国人労働者に担ってもらう。ビバ分業。誇り高い愛国者にとってはもう理想の社会なんじゃないだろうか。ただ国のためにいつでも死ねるよう訓練を受けるだけの簡単なお仕事です(いつも言ってるよね?)。それ以外のことは考える必要なし(思考力のない君にぴったりじゃないか!)。生活だって保証しちゃいます(外国人労働者のおかげ)。これで徴兵逃れる奴は非国民(いざゆけ普通の日本人)。さて、問題はそんな国に外国人労働者が来てくれるのかどうかということが。ただでさえ今の日本の劣悪な労働環境がバレてきている。虐待された中国とかベトナムとかの実習生は「日本には行ってはならねぇ」と母国で伝導していることだろう。これが日本人兵士に搾取されるために日本で働くなんていったら誰も来ないだろう。まぁ数十年前は日本兵士が搾取するためにわざわざ現地に行ったわけだが。いまや現地に行く気力すらないほど日本はズタボロだ。さて経済を支えてくれる外国人労働者が確保できないのであれば日本人徴兵計画も絵に描いた餅に過ぎない。こうして僕の徴兵計画はわずか数百文字の間に破綻した。
三浦瑠璃氏は「血のコスト」を市民も負担しなければいけない、という。しかしこっちは子どもを育てる「ミルクのコスト」で手一杯なんだよ。血のコストなんて気にせずにミルクのコストだけ気にして生活できるよう、平和な社会を築くのが為政者の務めだろう。市民が血のコストとやらをリアルに気にしなきゃいけない時点で、もう世界は少し曲がっているんだと思う。外的要因は別にして内部から戦争を遠ざけるには、とにかく頭のイカれた為政者を日本人が選ばないようにするべきというのが一番だ。行政や立法が手前勝手なことをやり出さないようにきちんと権力を監視する仕組みと、おかしなことをおかしいと考えることができるように国民ひとり一人を教育していくこと。これが最も戦争の恐れを遠ざけるためにかけるべき費用じゃないか。そこにならいくらでも資金資源を投じても良い。武器によらない徴兵というのも考えてみる必要がある。ちゃんとした知識や思考という武器を僕らひとり一人が持つ。当事者意識を持てというなら銃やヘリの操縦桿を握らせるのではなく、どこにどんな問題があり現実的な危険は何なのかをしっかりと考えられる脳みそを鍛えなければまったく意味がない。そうした世の中を僕らは目指さなければならない。