毎年恒例のユーキャン流行語大賞。今年の受賞は「そだねー」。そだねーって今年だったのか。てことはオリンピックは今年あったのか。平成最後のオリンピック。いやオリンピックの時点ではそんなことになるとは思いもしなかったんだけど。みんなカーリングメンバーを覚えてる?僕は覚えてないよ。振り返るとメダルラッシュで沸いていた平昌オリンピック。随分と和んでいた年の初めだったのではないでしょうか。猫も杓子もそだねーって。顧客が無理難題を押し付けてきて価格の見直しを交渉するも「そだねー」。部下に作成を命じておいた資料の進捗状況を尋ねても「そだねー」。おい!楽しみにとっておいたプリンを食べたのはお前「そだねー」。私のこと愛してる?「そだねー」。社長!今年の冬はボーナスがないって聞いたんですが本当ですか?「そだねー」。水道事業を民営化しようと思う「そだねー」。人手不足だから外国人労働者を受け入れを増やそう「そだねー」。でも高い賃金は支払えないから最賃以下で働かせよう「そだねー」。
そだねーじゃねえよ。
もちろん本来のそだねーはちゃんと戦略を考えた上での結論なんだ。
決して適当にハイハイ言ってるわけじゃない。ちゃんと今のストーンの状況はこうで得点状況はああでこの後の展開をこうしたいというのがあってそうした諸々について分析して、仮説を立て、その時最も良いと思える手を打つ。そしてそのことをチームメンバーで意思を共有する。それがあっての「そだねー」なんだ。
しかしいまの日本では一部に思考停止しているような状態がある。とても不安になる。お気楽な意味で「そだねー」になってやしないか。盲信してないか。ちゃんと考えているか。後の世代にちゃんとしたものを引き継げるのか。
1年前多くの人は少なくない外国人技能実習生が悲惨な状況に置かれているというのを知らなかった。僕もそこまで詳しい実態は知らなかった。ただそうしたトラブルが増えているというのは実感としてあった。専門職でもそんなもんだ。
しかしいまは違う。奴隷同然に扱われているのを多くの人が知った。その上でなお、外国人労働者を増やそうとしている。いや外国人労働者への門戸開放自体は別にいいんだ。世界的な潮流としてまた少子化の歯止めが聞かない以上それは避けられない。
要はちゃんと一人の人間として扱う気があるのかってことなんだよね。そもそも日本人の労働者でさえ使い捨てるブラック企業はまだまだある。ましてやいずれ帰国することがわかってる技能実習生ならどうなるか。
そだねーなんて言って和んでる場合じゃない。かつて年越し派遣村なんてものがあったようにそのうち年越し技能実習生村なるものができないことを祈る。