ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

モーリシャスと外国人労働者

モーリシャス沖での船舶座礁による重油流出事故について、モーリシャスのジャグナット首相と日本の茂木外相が電話会談を行ったそうだ。

 

その中で日本からは複数メニューの支援策を申し出たとある。それに対しモーリシャス側は謝意を示し事故については日本の責任だとは考えていないことを伝えられたそうだ。

 

外交に関して、僕はもちろんのことド素人である。それでも相手との交渉については「困っている相手にはこちらから手を差し伸べる」ことが重要だと思っている。その意味では今回のモーリシャス沖での重油流出事故は日本に直接責任がなくても、支援を惜しむべきではないと考える。もちろん日本国内の厳しい経済情勢を考えれば、無制限にというわけにはいかないだろうけれども。

 

少なくとも日本よりも経済規模の大きな大国・アメリカの農家支援のためにトウモロコシを大量に買うよりはずっと良いことだ。自分よりも持っている相手に対し便宜を図っても、大抵は忘れ去られる。

 

相手に「自分には力があるからこいつは従ってるんだ」と思わせるだけで、今後はより要求が厳しくなるだけではないだろうか。大企業と中小零細企業との交渉を思い浮かべてみよう。過度な譲歩は隷属を意味する。

 

もちろんアメリカとモーリシャスでは国力が違うから、アメリカとは距離を置いてモーリシャスと仲良くしようというわけではない。どちらとも仲良くすることが重要だ。バランス。

 

ちょっと見方を変えてみる。

 

日本からのモーリシャスへの支援として、たとえば、職を失う近隣の漁師に特別に就労ビザを発行して日本で漁業に携われるようにする、という支援策があったらどうだろうか。

 

これについては一定の層から反発が起きそうだ。そこまでする必要はない、日本人の権益が侵される、もっといえば「外国人を不用意に招き入れると犯罪が増える」という人達がいる。

 

つい先日タレントのつるの剛士氏が、自身の農園から野菜を盗まれた、犯人は外国人だった!SNS上で騒いでいた。まあつるの剛士氏のケースでは窃盗をしたのは本当に外国人だったのかもしれない。しかし問題は外国人労働者を見たら犯罪者と思え!的な扇動に結果としてなってしまっていることだ。

 

実際、つるの氏の一連のツイートのリプ欄は地獄の様相を呈している。ていうか閻魔様もドン引きだろう。ドラゴンボールでの閻魔様は超強くて、初期ベジータを取り押さ得ることができ悟空に感心されていた。しかし自称「普通の日本人」、自称「愛国者」を取り押さえるのは閻魔様とて至難の業である。

 

地獄のリプ欄をここには貼らないので、地獄巡りをしたい人は覗いてみてください。

 

総じて彼らの主張するところは「日本人は情け深いから、お人よしだから、被害者になり」、他方外国人はそんな日本人の美質に付け込んで好き勝手する、というものである。

 

が、僕はそれが嘘であることを知っている。

 

外国人の無知に付け込んで搾取しているのはどちらかというと日本人のほうである。

 

www.ginger-yell.com

 

 

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パスポートを取り上げたとか、スマホを取り上げたとか、そういった話はよく聞く。最賃違反も当たり前のように横行している。恋愛禁止、というのもあった。秋葉系アイドルか。

 

労基法や安衛法、最賃法に日本国憲法違反も堂々と行われている。外国人労働者が日本の法律を知らないと思って好きかって放題する企業は残念ながらどこにでもある。

 

そして先の「自称愛国者」たちはこういうことについて声を上げない。どう考えても企業のこうした振る舞いは対日感情を著しく悪化させているんだけど?

 

それとも彼らの中では、違法の中で搾取されている外国人労働者は「見えない存在」なのだろうか。

 

モーリシャスへの日本からの支援はできる限り積極的に行って欲しい。それは相手のためであり、日本のためでもある。

 

しかしそれと同時に、いま日本国内の企業で不当な扱いを受けている外国人労働者の救済や支援も行って欲しい。それもまた相手のためであり、日本のためである。

 

最後に福岡県国際交流センターが現在行っている外国人留学生への支援をご紹介。些少ながら僕も支援をさせてもらった。こういう取り組みはもっと広がればと思う。それぞれができる範囲で。

www.kokusaihiroba.or.jp