ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

エア退社に負けないように社員が打てる手を考える

エア退社というのが話題になっている。

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定時に一旦退社したと見せかけてタイムカードを押させ、そこから帳簿に乗らない残業をさせることだ。もちろん労働時間の偽装ということになるし、働いた時間分の賃金を正当に払わないのは違法行為だ。そしてこうした行為は何もいまに始まったことではなく、昔からある。ある会社では定時で一旦全員本当に会社を出て、会社の周囲をぐるっと回るとおもむろに誰かが「会社に忘れ物をした」と言い出す。そしてなぜか全員で忘れ物を取りに戻りついでにそのまま仕事をしだす。よく日本企業は仕事のやり方にクリエイティビティがないと言われるが、どうして違法な残業をさせるにあたっての独創性は世界に類を見ないなかなかなものではないか。もっともそんな努力はいらないが。

 

実際エア退社をさせている会社は一定数存在する。そして記事にあるとおり少なくとも記録上は残業をしていないことになっているから解決が難しいことも多い。労働基準監督署が調査に入っても、違反を指摘できないケースがあると聞く。請求しようにも根拠となる記録がなければどうしようも無い。だからこそ日頃から記録をつけておくことが大事だ。手書きのメモでもスマホのアプリでもなんでも良い。またPCを使っている職場であればログインログアウトの記録も、その間職場にいたことの客観的な証明になるので一定の証拠能力はある。こうした細かい日々の積み重ねが自分の身を守ることに繋がるんだ。面倒と思わずやっておこう。朝の体操と同じようなものだ。小さなことの積み重ねが健康に繋がる。

 

さて、会社がエア退社を強要するなら一方で社員もエア仕事をしてはどうだろうか。エア仕事というのは何かというと、出社時にまずタイムカードを打刻する。そこから定時までの間は好きなことをして良い。もちろん仕事をしても良いし、ブログを書いていても良い。定時になったら再びタイムカードを打刻して帰宅。

 

あるいはエア訪問というのはどうだろうか。これは主に営業マンしか使えないのが難点ではあるが、効果的だ。客先を訪問するといってカッフェや映画、ビデオ個室などで一定の時間を過ごすことだ。日報は適当にどこそこに訪問したとか書いておけば良い。どうせ上司もそんなに気にしない。だって上司もやってるから。

 

エアたばこ休憩があってもいい。喫煙者はたばこ休憩というのを取る。ちなみに本来たばこ休憩などというものはない。単にお目こぼしを受けているだけだということを喫煙者は忘れるな(ここだけ厳しく)。しかしこれでは不公平なので、非喫煙者もあたかもたばこを吸っているかのように装って離席する。「ちょっと一服…」といって語尾をぼかすのが大事だ。

 

エア出張というのも考えられる。エア退社で正当な残業代が支払われないため、収入を補填する上でも必要かもしれない。これはできるだけ遠くに出張することにして実際は出張せず近場の安ホテルで済ませ出張旅費の差額をいただいてしまおうという頭脳作戦でもある。もしかするとカラ出張という言葉を聞いたことがあるかもしれない。まあ横領とかの犯罪行為になるちゃなる。

 

そのほかにも注文がないのにあるように装い代金をせしめるエア発注や会社の備品や商品をちょろまかして転売して儲けるエア窃盗、フリマアプリなどで大企業の社員証を購入し、合コンでいかにも大企業の社員ですと装って女性にいい顔をするエア社員という手もある。

 

そんなことやってるから日本企業は衰退するのだし、景気もいつまでも上がらないのだという人がいるかもしれない。確かにそのとおりだ。しかしそんなこと誰が気にするのだろう?何しろ今の日本では官製エア統計というのが大いに流行っているので。気にしない気にしない。自分のできることをやって自分の身を守り自分の取り分を確保しておこう。