まとめ
福岡県北九州市にあるテーマパーク「スペースワールド」が11月12日から開催していたスケートリンクに約5,000匹の魚を氷漬けにした「氷の水族館」に対して批判が殺到し大炎上、27日からこの企画を中止することにすると公式サイトで発表した。
個人的にはそこまで批判を受けるほどのものなのかなぁ、という印象がある。
スペースワールドに寄せられた批判には「いきものを娯楽・イベントに使うのはおかしい」とか「お魚がかわいそう」というのもがあったそうだ。
今回は企画のアナウンス方法が悪かったのであって、企画そのものがここまで炎上するほどのものとは思えないのだけどなんとなく今の窮屈な世の中を映している気がする。
例えば「いきものを娯楽・イベントに使うのはおかしい」というのは、そんなのどこの地方のどこのイベントでも多かれ少なかれ似た様な事はやっているのではないだろうか?お祭りの出店の定番、金魚すくいやひよこ釣りもだめか。スポーツフィッシングもアウトだね。もっと言えば家で鑑賞用に魚を飼うのとかどうなのか。あるいはカワイイ、キレイな魚は大切に扱うけどグロい魚は雑に扱っていいとか、こういうことを言う人達に限って、謎の、自分ルールを持ち出したりする。やっかいだ。
「お魚がかわいそう」という人はあれかな?魚を食べない主義の人かな?
魚を食べるのは可哀想ではなくて、氷漬けにするのは可哀想という主張にどのような合理的な理由が存在するのか聞かせて欲しい。
魚からしたら氷漬けにされるのと同じくらい、食べられるのは嫌だろう。
そりゃ海や川の中を自由にスイスイ泳いでいたいに決まっている。
アレは良くてコレはだめ、というのは人間側の勝手な理屈に過ぎない。
「命に対する尊厳がない」という批判については、確かにそのように受け取られても致し方ない面もあったかもしれない。FBでのコメントなどはいかにも未熟だ(SNS上の炎上対策や危機管理を売りとするITコンサルタントは今頃スペースワールドに営業に行ってることだろう)。その点でスペースワールドはもっと慎重にアナウンスした方が良かったのでは?と思う。例えば死んだ状態で市場に水揚げされた魚を利用している点や、そんな魚たちにみんなと一緒にスケートして遊んで欲しいと思い企画しました、とか。魚たちの供養になるとともに(それも人間が勝手に思ってることではあるが)、命を身近に感じてもらいたかったなどをアピールしておけば、たとえそれが建前的なものであったとしてもここまで炎上して企画が中止に追い込まれることはなかったのではと感じる。もちろんこれは結果論だけどね。
僕としては最近の、なんというか、倫理や正義感の押し付けみたいなものが苦手なので特にこの件については違和感を感じる。
倫理観や正義感は確かに大切だ。
人が社会の中で人として生きていくために絶対に欠かせないものだ。
でも、最近の“正義の押し付け”は社会の中のコンセンサスではなく“マイルール”を押し付けている気がしてならない。自分の感覚は絶対だ、自分が不快に思うことは他人もそう思うに違いない。そんな傲慢な上から目線が蔓延している気がする。
スペースワールドを「命の冒涜だ」と批判した人たちが普段どのように命を尊重するライフスタイルを送っているのかぜひ話を聞いてみたいものだ。
僕は普通の人間で不完全で業の深い生命体(ミスチルのシーソーゲームか)なのでそこまでゴリゴリの活動はできないが、とりあえずいのちをくれる食べ物に感謝してお昼ご飯を食べようと思います。いただきます。