ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

炎上商法というのがよくわからない

よくわからない。炎上商法というやつだ。一時的には、確かに話題になるし注目を集めることができるだろう。しかし炎上商法なんていうのは長続きしないんじゃないか。それなのにあえて炎上する意味がわからない。

 

レペゼン地球(以下ぺ地)というパフォーマンス集団がいるようで、そのDJ社長(以下D社)というのがジャスミンゆま(以下J民)という後輩(女性)というか部下というかとにかく目下の者にパワハラセクハラをしたとして告発されていた、という。僕は今回このD社が「パワハラセクハラ告発は実はJ民と示し合わせたプロレスでした」とネタバラシをしたことで初めて彼らの存在やそんな騒動があったことを知りました。なので今時系列を遡って確認している次第です。

 

んで、D社がJ民に対して「ホテル行こう」とか「事務所クビにするぞ」というやりとりがあって、J民がこんなこと言われたやでー、と告発してD社が活動休止、謝罪(丸坊主)していた。ところがこれはJ民を売り出したりぺ地のドーム公演のためのプロモーションの一環で、わざと炎上商法を狙ったんだとD社が説明したといったところでしょうか。

 

まー、ぺ地もD社もJ民も僕にとってはどーでもいーのですが、この炎上商法というのは本当によくわからない。

 

しかも炎上商法の題材としてパワハラセクハラを持ち出したのははっきりと気に食わない。パワハラやセクハラはそれによって体調を崩し、仕事できなくなる人がたくさんいます。後遺症が残りなかなか社会復帰できないパターンもあります。被害者なのに会社を辞めざるを得なくなったりとにかく理不尽な扱いを受け困っている人がたくさんいるんです。最悪の場合パワハラやセクハラを苦にして自死してしまう人もいます。そういったことを考えればとても炎上商法の題材に使っていいものではないと、まともな神経の持ち主であれば理解できると思うのですが。

 

堅いこと言うなって思いますか?パフォーマンス集団ならタブーなくどんどんやれ、と。いやむしろパフォーマンス集団であれば困っている人、苦しんでいる人たちが救われないようなパフォーマンスをやるべきではないと僕は思う。強いもの、搾取するものを風刺するのであればわかるけど。ようはさ、一連のパフォーマンスに哲学や思想が感じられないのよ。空っぽ。面白ければそれでいいつったってそもそも面白くないでしょ。多くの人が不快に感じた。だから炎上するわけでさ。何かを訴えたいとか、諧謔の精神とかそういった背景が何もない。ただただ不快にして話題になれば良い。炎上ってそういうことでしょ?そうした表現をする理由や必要が感じられないです。

 

炎上商法というものについて、あれはいったいどういうつもりなんだろうと思いますね。D社やJ民は「炎上してメディアに取り上げられ無料で広告できた!あざっすwww」みたいなことを言ってるようですが自身のイメージを下げるのが広告だと思ってるんだろうか。マジで?無料で広告どころか無料で自身の信用毀損してるんだからどっちかというとライバル達が「勝手にコケてくれてあざっすwww」とか思ってるんじゃないの。

 

僕が思うのは、炎上商法に手を染める連中って絶対に身の丈以上のことをやろうとしているってことだ。今回でいえばどうやらD社はドーム公演のためのプロモーションってことだそうだ。炎上しなきゃ注目浴びられないんだったら、まだドームでやれるだけの器ではないってことなんじゃね?だって次はないでしょ。次ドーム公演するときに同じ手法は使えない。んじゃそれまでの本当の実力を身につけられるかといったら、炎上商法なんて安易な手段に飛びつくようではそれは期待できない。

 

何より炎上商法で注目を集めたら、もうそれなしではいられないくらい依存症になるんじゃないかという懸念があります。SNSで過激な発言を繰り返している人とかどう見てもその類でしょ。手っ取り早く注目されるのが快感になっちゃってる。だけど長続きしない。例えばはあちゅうなんかそうでしょ。30歳くらいでもう賞味期限切れかかっている。世間から飽きられ始めている。こういう人たちにとって怖いのは炎上することじゃなく「もうあいつはほっとこーぜ」とスルーされること。普通の会社でいえばむしろ30歳くらいから仕事が面白くなり始めて脂が乗ってくるのにその逆。もう上がりなの。炎上商法に依存したやり方は永続性がない。

 

D社やJ民も今回の件で世間的な知名度は上がったかもしれないけど、すぐに忘れられるよ。残るのは熱心なファンだけ。そうなるとますます過激になるんだろうね。もっと注目されなきゃ!みたいな感じで過激な行動に走ると予想する。それを信者と化したファンが後押しする。カルトチックだなあ。

 

炎上商法っていうのは自分の世間的な信用を火にくべているようなもの。燃えれば燃えるほど世間からの信頼は遠のいていく。でも本人は燃え上がってる炎を前にそのことに気がつかない。トムとジェリーで、よくトムがそれと知らずに自分の尻尾に火をつけたり斧でちょん切ったりしてるシーンがあるけど、ああいう感じ。普通はあれを見て「トムって馬鹿だなあ」と大笑いするわけです。

 

結局炎上商法なんて長い目で見たら割に合わないわけですよ。あれ、目先のことしか考えられない短期脳の持ち主です、って自己宣伝してるに過ぎない。そういう人を長く追っかけようとか、継続的に仕事を振ろうとかならないよね。自分がお金出す立場ならそう思う。いままで炎上商法でのし上がりそのままずーーっと生き残ってる人いる?大半は消えてるよね。昔からいうじゃないですか。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と。

 

僕らは僕らという経験を生きてるのではなく、僕らという歴史を生きているんだぜ。