ジンジャーエール

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ブルジョア障害者という言葉が差別ではないという人へ

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吉田一郎さいたま市議が同じくさいたま市議で足の障害で車いすを使用している伝田ひろみ市議を「ブルジョア障害者」と呼んだ問題。話の流れとしては障害者であっても高額所得者であれば医療費を健常者同様に自己負担すべき、というものであったとのこと。たしかに一口に障害者と言っても健常者同様働ける人もいれば、そうでない人もいる。「障害者」で一括りにするのは難しいだろう。しかし「ブルジョア障害者」という表現にはいいようのない悪意や侮蔑を感じる。発言の真意は吉田市議にしか分からないだろう。だから吉田市議が「差別的な意図はない」と言えばそれが通ってしまう。しかし自分と同じ議員報酬を得ている伝田市議をことさらに「ブルジョア」というのは揶揄以外にどういう意図があるのだろうか?そこには「障害者のくせに高所得」「弱いものは弱くあれ」「障害者特権があるんじゃないか」などという差別意識があるんじゃないのか。

 

しかしこの「ブルジョア障害者」という言葉に関して、

ブルジョア=資産階級

障害者=障害を持っている人

いずれの言葉も事実や状態を指すものであって、そこに差別の意味はない。だからブルジョア障害者も問題ない。差別的意図などない。騒ぎすぎ。と主張する連中がいる。こういう人達はどういう種類のアホなのだろう?といつも思う。

言葉というのはそれ自体は記号的なものだ。そこに意味や意図を吹き込むのは発言者だ。そのことを忘れてはいけない。たとえば「アイツはバカだ」と発言したとき、「アイツ」が普段から可愛がっている後輩とか彼女(彼)などごく近い人の場合はどうだろう。意味としては「しょうがないなぁ。可愛げのあるバカだなぁ」という意味ではないか。それに対して「アイツ」が日頃快く思ってない上司(部下)やまったく見知らぬ人であった場合はどうか。限りなく罵倒に近いものではないか。「バカ」という同じ言葉でも発言者の意図によってこれほど違う。それを考えれば吉田市議が伝田市議に「ブルジョア障害者」と言ったときの意図は何だったのかを考えないといけない。言葉そのものの意味では差別じゃないからセーフという人はリアルで人と話をしない人なのだろうか?

 

それからサンドウィッチマンの伊達さんへ。

ブルジョア障害者という言葉について「誰が怒ってるのか」と言ったあなたへ聞きたいことがある。

東日本大震災の被災者の中には当然高額所得者もいるだろう。あるいは十分に利益を出している企業もあるだろう。

彼らは「ブルジョア被災者」だから減税措置の対象から外してもいいのだろうか?

復興支援の対象から外しても良いのだろうか?

もし誰かがそんなことを言ったら真っ先に怒るのは伊達さん、あなたではないだろうか。

伊達さんは自身も被災しそうになり、また東北出身であり実際に被災した知り合いもいるだろう。だから被災者に対して共感し、寄り添うことができるのだろう。

同じことを障害者にも感じてほしい。たとえ年収1,000万の高額所得者であっても難病で医療費が年間に900万かかる人がいるかもしれない。そういう人が一般と同じ自己負担額だと詰んでしまう可能性がある。セーフティネットから漏れてしまうのだ。だからこそきめ細かな、漏れのない福祉が必要なのではないだろうか。

 

高額所得の障害者の医療費自己負担。市井の人間がこうした話をするのはいいだろう。分からないこともあるだろうからね。しかし吉田市議はさいたま市議会議員である。政治家がこのような安易な漏れのある福祉を提唱することの怖さをもっと感じるべきではないだろうか。どこかの誰かがセーフティネットから漏れても、ごく少数の例外だし別にいいじゃん。こんな考えの人間が政治家にいるって恐怖じゃない?

 

ブルジョア障害者という言葉はそれ自体に差別的意味はないのかもしれない。

しかし人がそれを使う時、ほぼ確実に差別的・侮蔑的な意図をかぶせているのは疑いようがない。

だからこそ「それは違うだろ」と言わなきゃならないのだ。

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