ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

1分だけ話を聞いてくれ

世間は3連休です。

しかし世の中には3連休など関係なく働いている人がいます。

今日は世間的には祝日で休みです。僕も一応は休み。でもやらなきゃいけない急ぎの仕事があるため家で作業をしています。

奥さんは用事があり出かけています。子供達3人は家に残った僕が面倒をみることに。ま、それはいいんです。よくあること。

で、お昼過ぎごろインターホンがなる。出るとスーツ姿の男性が。

どうも不動産会社の営業マン(係長代理という一体何の権限や責任があるのかわけのわからない肩書き)のようです。近辺に住宅展示場があり、その挨拶にやってきた、と。名刺と取扱物件をプリントしたチラシを持参。受け取ったところ、彼はこう言いました。「1分だけ話をさせてもらっていいですか?」

 

イヤです。

 

即答です。だって子どもたちを見ないといけないし、仕事はあるし。興味のないことを玄関先で1分間も聞かされるなんて苦痛だし、無駄じゃないですか。

 

そしたら彼は言うわけですよ。

「いや、何も家を買ってくれって話じゃないんですよ笑!1分だけ話をさせてもらえればいいので!」

エレベーターピッチでも作ってんのか?

しかし、どうせ1分でまとめてないだろ。だいたい3分は覚悟しなきゃならない。ていうかこの間にも刻一刻と時間は過ぎていってるんだけど?

 

僕「聞く必要がないので、いいです」

永「え?なんで?僕が話すだけですよ?」

僕「必要になった時に聞くから。今いらない。会社に連絡したほうがいい?」

永「…。いいです」

そういうと、今までの営業スマイルもそこそこに立ち去って行きました。

僕「お疲れ様〜!」

 

しかしなんちゅうド下手な営業なんでしょうか。

 

「1分だけ話をさせてください」←いや、それはオマエの事情でしかないだろ。

 

エレベーターピッチが有効なのは文字通りエレベーターの中のように聞かざるを得ない状況において、です。

客側に「聞かない」という選択肢が可能な状況で、営業の都合丸出しの「話を聞いてください」なんて言葉が効くわけないでしょ。もっとうまい導入を考えなさい。オープンスペースでエレベーターピッチを披露するならよほど導入を工夫しないと。しかし営業トークにすらたどり着けないのはどこに問題があるのか、彼は一切わかってないようでした。

 

聞く側(客)にメリットを感じさせなければ、聞く耳を持ってもらえないのは当然でしょう。メリットがないのになぜ1分間という貴重な時間を割かないといけないのでしょうか。拒否して当然です。かの営業マンはそのことを真剣に考えなきゃいけません。

 

例えば

「消費税が来年には上がります」(←不安感を煽る)

「増税前に家を買うとこれだけ得なんです」(←利益を期待させる)

「じゃあどういう家を買えばいいのか」(←具体的なイメージをさせる)

それを1分だけ時間をいただければお話ができます、という「あなたにとって利益になる話を持ってきましたよ」というのを提示せずに、自分の都合だけで「1分だけ話をさせてくださいドヤァ)」みたいに言われても。言われても。

 

全然ストーリーがないんですね。

徹頭徹尾自分の都合で営業トークを展開する。客の都合よりも自分の都合を優先する。おそらく彼の戸別訪問のイメージとしては、この手法でとにかく話をしまくるという筋立てが事前にあったのでしょう。しかし客のことを考えない自己満足の営業トークなんてダメですよ。

いくら優れたトークを作ったとしても、導入にすらたどりつけないのであれば、導入を見直さないと。もっともそれに気づいてる風ではなかったですが。面倒なヤツに出くわしたという表情がそれを物語っていました。問題がどこにあるか気づかないまま訪問しては断られ、を繰り返すのでしょう。売れたとしてもそれは偶然のなせる技。それじゃあ長続きしません。

 

それで彼の所属する会社のことを調べたら、そんなに悪い評判がたってる会社ではないんですね。それだけに勿体無い。

少なくとも僕はこの先家を買うことがあっても、この会社からは買わない。そうなってしまいます。あぁ本当に勿体無い。

 

それでふと思ったのですが、こんな祝日に働くのはどうか、あ今日は勤労感謝の日かぁなんて思ったら秋分の日だったのですね。物忘れが激しくなってきたことを痛感させられる今日この頃です。