ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

僕は知りたくない

俳優としても活躍する人気ミュージシャンが逮捕された。ピエール瀧。ニュースやワイドショーはこの件について連日報道している。しかし僕は興味がない。ピエール瀧は好きだ。良い俳優だと思う。電気グルーヴはあまり聞かない。代表曲を知っている程度だ。どちらかと言うと僕にとってはタレントとか俳優のイメージ。もちろん違法薬物は良くない。何が良くないって体に良くない。いやホントに。

 

Manic Street Preachersという英国のバンドがある。イギリスの国民的なバンドと言ってもいいと思う。僕も彼らのことは大好きで元々はこのブログ名もevrything must goな日々だったんだけど、それは彼らの曲名に由来してたりする。で、彼らがなぜイギリスの国民的なバンドになったかという話なんだけど。メンバーの一人がドラッグやアルコールにおぼれて精神的に病んでしまった。そんである日滞在していたホテルの部屋に「I love you」のメモだけを残し彼は失踪してしまった。いまもまだ行方不明。法的には10年ほど前に死亡宣告されているが。残されたメンバーは当然落ち込み解散も噂された。からの大復活。活動休止を経て出されたアルバムがスマッシュヒット。ちょうど世間はブリットポップとかいってイギリスの若いバンドが人気になっていた時流に乗れたのもあるとは思うが、何しろどの曲も素晴らしかった。特に「A Design for Life」は労働者階級の応援歌として定着。僕も自身の結婚式用の生い立ちDVDのBGMに使った。という黒くはないが白くもない歴史がある。当時の僕が(いまもだが)俗物であったことは認める。

 

長々と僕とマニックスの思い出を書いたけど要するにドラッグは決して体には良くない。ということだ。だから「クスリやってるなってピエール瀧はクソ!」とは思わず「え、体大丈夫なんかな?」という感想になる。俳優・ピエール瀧は好きだ。それがあんなくだらないもので体を壊してしまうことになったら悲劇じゃないか。もちろん世の中には違法薬物の影響で傷害だの強盗だの人に危害を加えるやつもいるだろう。ピエール瀧にそうした凶悪性がないのであれば作品自体は自粛する必要はないと思うんだよなぁ。加熱する報道も嫌だ。

 

その一方で久留米地裁では性犯罪被害者がまた虐げられてしまっている。泥酔して抵抗できない状態の女性に暴行を加えた男性が無罪ということになってしまった。高裁でどうなるか。てゆうか地裁の時点でこの判断が出るっておかしいだろう。「目を開けた」とか「声を発した」から抵抗できな状態ではなかった、とか。そんなわけないでしょ。なんかテキーラ一気飲みとかさせてたらしいけど、これ男性は会社役員らしい。女性と仕事上の関係があるのかとかは分からないし、憶測で物を言うのはダメだとわかっているけどさ、力関係を背景に一気飲みさせたんじゃないのか?とか疑ってしまう。こうした件にこそ時間と熱量を割いて報道しろよと思っちゃうけど、マスメディア的にはより耳目を引く方に走る。

 

繰り返しになるけど、ピエール瀧はいい俳優だ。でも僕は彼の私生活なんか知りたくないのよ。どうでもいいの。彼がションベンするとき立ってするのか座ってするのかとか。いやそんなの報じてるところはないけど。だけどそれくらいどうでもいいのよ。でも久留米地裁の件はもっと知りたい。なんでそういった判決になったのかとか。一気飲みさせるやつとか、性的暴行するヤツとかのほうが身近にいる確率高いじゃない。自分の妻や娘や友人が被害に遭うかもしれないよね。いや僕自身も被害に遭うかもしれない。だから僕は知りたい。