ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

ヤバいキラキラネーム

私事で恐縮ですが僕たち家族には来年また一人‟お仲間”が増える予定です。

ま、このブログは私事でしか成り立っていないので今さらそんな事発表されてもどうでもええわー、という方へ。もうしばらくお付き合い下さい。

 

で、まだ先の話とはいえ奥さんからの「そろそろ名前考え始めてるよね?」というプレッシャーが日増しに強くなってきています。

お前は昌子源鹿島アントラーズ)か!というほどの圧力です。

鹿島アントラーズ世界2位おめでとう!

でもネ…ウチの子は世界1位だよ!!いや、宇宙1位だよ!!!

 親思う心にまさる親心(吉田松陰

そう。親は基本的に我が子が一番だと思っています。(親バーカ)

それ故に子供の名前には様々な思い入れや期待、希望が込められます。

そのパワーが少々振り切り過ぎてしまった場合に発動されるのがいわゆるキラキラネームではないでしょうか。

だいたいは「子どもがかわいそう」「将来苦労する」「親の頭悪そう」など徹底的にネガティブなものとして捉えられています。

もっと言えば嘲笑の的ですね。

 

僕自身も最初の子(長男)が生まれる際は「キラキラした名前はちょっと…」という感覚はありましたです。はい。

まー自分の子どもに変な名前を付けたくない、というよりは周囲に変な人間だと思われたら嫌だな、という世俗的な欲求があったのは否定しがたいところです。

 

ネット上では光宇宙(ぴかちゅう)だの黄熊(ぷぅ)だのが面白おかしく取り上げられてましたし、テレビや雑誌でも定期的にやや小馬鹿にした特集が組まれていますね。

 

僕自身は自分の子どもに当て字的な難読名を付ける気はないのですが、一方でそういう名前の人に万一出くわしても「うはwwwキラキラネームwww」などと思うことはなくなりました。

実は長男が生まれて名前を付けた際に親戚のおじさんに「お前はえらいな。最近はよくわからん名前が増えててなー」と言われました。

長男は割と昭和風な名前です。

その時は「どもども」といった感じだったのですが、よく考えたら「今、なにで褒められたの?」という人生の中でよくわからない理由で褒められてみましたランキングの第4位くらいにランクされることではないかと思ったのです。

 キラキラネームは都市伝説!?

ところでキラキラネームって本当にいるのでしょうか?

テレビや雑誌、あと特にネット上では実に様々なキラキラネームが「存在する」ことになっていますがあれは本当なの?

例えばネット上では‟実在するヤバいキラキラネーム ベスト100!”みたいなものがありますがほぼ出典とか調査方法とかは明示されていません。

また出典が2chだったりそのまとめサイトだったり不確かなものもあります。

ほかにも出典としてよく名前が上がるのが「赤ちゃん名づけ」

namae-yurai.net

なんでも月間400万アクセスもあるゴッドファーザー的なウェブサイトです。

こちらでもキラキラネームランキングをやっています。

 ただし、このランキングは実際にいる名前を調べてランキングを付けているのではなく、検索回数の多かった名前を運営元の委員会の厳正審査経て集計しているとのことです。

一方、無料会員登録をすることで自分や身近な人の名前やその由来を登録する事ができます。登録に必要なのはメールアドレス・年齢・性別・職業です。

匿名で複数のアカウントを作ることも可能ですね。そして自分や自分の子どもの名前として架空のキラキラネームを登録して、自分で検索しまくったら…

いくらでも突飛なキラキラネームを作成してあたかも実在しているかのようにしてランキングに載せることもできるんです。暇さえあれば。そして世の中には暇人がいる。

情報リテラシーを持つ人はこのように情報元があやふやだったり明示されていないものとかいくらでも改竄できるようなものは信用しないのでしょうが、そうでない人は簡単に信じちゃうんですよね。

光宇宙(ぴかちゅう)とか黄熊(ぷぅ)とか本当に存在するのでしょうか。

僕はネット上なんかで大々的にキラキラネーム!これはハズい!とか言われてるものの大半は架空のものだと思っています。

それでもキラキラネームは存在する 

僕自身の経験からいうと、キラキラネームは確かに世の中に存在します。

総務とか経理で扶養控除申告書とか健康保険の被扶養者の届出などで多くの人の名前に接する機会があるとキラキラネームに遭遇することはあります。

「これなんて読むの?」

「ちゃんと振り仮名ふってって言っといたのにー」となります。

あと、入力する時なんかに一発で漢字変換されないから結構面倒くさいです。

でも僕自身の実感からいうとキラキラネームの割合は1%以下です。

役所の戸籍係だったり学校の先生だったりとより多くの特に若い名前に接している人たちの実感はどうなんでしょうね。もうちょっとパーセンテージは上がるのかもしれません。でもそれでもせいぜい2~3%といったところではないのでしょうか?

 

絶対的な少数派で、存在を確認することもまれなキラキラネーム。

なぜ人はキラキラネームの話題で盛り上がるのでしょうか。

やはり他者を見下すためのツールとしての性格が大きいと思います。

 有名幼稚園にはキラキラネームはいない?

キラキラネームを付けている(と見なされている)親ってどんな人たちでしょう?

だいたいは低学歴・低所得・非常識な若い人で稀に高齢出産でハイになっている人。ヤンキーだったり自意識過剰な人などネット上で揶揄や攻撃の対象になりやすい設定ですね。

一方で有名私立幼稚園にはキラキラネームは存在しない、と書いてある記事を見かけることもあります。子どもの教育に意識の高い親はやはりちゃんとした常識人だと言いたいのでしょうか。しかしこのような記事を読んだときの僕の感想は、ライターはいったいどこの誰に取材したのだろう、ということです。幼稚園が合格者の名前を公表することはないでしょう。仮に知り合いの子どもが私立幼稚園に通ってたとしてもサンプルとしては数が少なすぎて“絶対に”キラキラネームはいないとは言えないでしょうお。

つまるところ有名幼稚園にキラキラネームがいないというのはイメージ、思いこみに過ぎないと考えられます。少なくとも実際にいろんな幼稚園に取材して得た結果ではないでしょう。

だいたい個人情報に関して一昔とは比較にならないくらいに扱いが厳しい時代です。

役所や学校関係者がそのような統計や情報を出すとは考えられません。となれば実際の取材の結果ではなく、ライターの先入観やイメージあるいは願望によりあるいはもっと言えば意図的に事実に反することでもおもしろくてアクセスが稼げればいいやという安易な考えでキラキラネームが作られているのではないでしょうか。

本当にヤバいのはキラキラネームを馬鹿にする心

Twitterなどではこんな話も出回っています。

クラスの授業参観でキラキラネームの子どもが作文を読み上げますがその内容が、自分の名前のせいでクラスメートからいじめられつらい思いをしている、というもので後ろで聞いていたその子の親は恥ずかしさといたたまれなさで教室を出ていく、というものです。子どもにキラキラネームをつける親が授業参観で恥をかいて逃走するという内容はスカッとして気分がいいのでしょうか。だいたいはそんな親の元に生まれてかわいそうとか親は反省しろなどの反応で溢れています。

でもさ、よく考えたらおかしくない?

普通に考えればたかが名前が人と少し違うというだけの理由でいじめをするクラスメートが悪いのであって、そのことに触れる人はあまりいません。なぜか攻撃対象は親になっています。

質の低い創作話とは思いますが、こういうのを簡単に信じちゃうというのはどうなんでしょうね。

先述の通りキラキラネーム的な名前の人は確かにいます。

でもキラキラな名前だからいじめられても仕方ないという感性はいかがなものかと思います。またその親を「どうせ底辺だろ」とよく調べもせずに類型化するのもむしろ自分自身がネット社会のリテラシーにおいて最底辺であることを晒しているようなものです。

 

ネット上で出回っているキラキラネームは実際はほとんどが架空のものだと個人的には思っています。少なくとも根拠が無いものがほとんどです。

「おもしろすぎる話」「良くできた話」は安易に信じず、疑ってかかるくらいの意識は必要でしょうね。