ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

企業研修での自衛隊入隊は危険だと思う

就活が本格的に始まる時期になりましたね。いよいよ面接解禁!就活に励む大学生にとってはこれからが勝負の時…と、言いたいところですがもうすでに内定や内々定が結構出てるところもあるようで。やっぱりルールといっても罰則がなければ守らないでいいと考える企業は多いようですね。

既に内定を勝ち取った皆さん。「俺って勝ち組!」と考えてるかもしれません。しかしあなたが入社予定の企業は「みんな守ってないし、ウチだけじゃないし」「どうせ罰則もないし」というような理由でルールを破る会社だということをお忘れなく。社会的なルールを守らないのであれば、ましてや自社の被用者との間のルールなんてクソくらえと思ってるかもしれませんよ。ご注意遊ばせ。

 

そんな中、気になるニュースが。

新入社員の研修の一環で自衛隊体験入隊させる企業が増えているとか。

 

「ゆとり世代びしっと」新入社員研修 自衛隊の体験入隊活用増 (京都新聞) - Yahoo!ニュース

 

新人研修で自衛隊体験入隊させる、というのは実のところ数年前からちょくちょく耳にしてた。

僕の考えを先に言えば、新人研修に自衛隊体験入隊をさせるような企業はさっさと辞めた方が良いです。入社前にそのことを知ったのなら内定辞退かな。

 

記事にある通り、入隊の狙いは「訓練で礼儀や規律など社会人としての基礎を身に付けてもらうことが主な狙い」だという。建前上はね。

確かに、自衛隊では挨拶に始まり、制服もきちんと畳んでおかないとどやされるなど身だしなみに対する意識も変わるという。学生気分を早く抜け出してほしいという気持ちも一理ある。ただね、これらは社会人としてのマナーと言うより人間としての基本的な部分だと思うわけですよ。社会人としての礼儀や作法というのは自衛隊で得られるそれとはちょっと違う。例えば電話の応対であったり、名刺の渡し方、接遇マナーや言葉遣いetc.。あるいは会社ごとの仕事の進め方や、それこそ見積書一つとっても会社ごとに様式が違う。そういったことを本来、新人研修やOJTを通じて教え込んでゆくわけです。

 

では、自衛隊入隊研修の本当の狙いは何かというと、先述した“人間としての基本的な部分”を書き換えること、です。

つまり上の言う事に絶対的に服従する人間になって欲しいーー

 疑問を感じる余地がないくらい締め付けます。それが当たり前なんだと錯覚させるのです。断っておきますが、自衛隊の人たちは軍隊という特殊な世界なのでそれが成り立っているのです。彼らは国を守る使命を帯びそのことを宣誓した身です。一般社会の価値観とは違って当然です。

それをそのまま一般企業に当てはめて上司の言う事は絶対だと刷り込むのはとても危険です。新入社員にとっても危険だし、そもそも自由に意見を出せる雰囲気のない、風通しの悪い、進取の気質がない企業はやがて衰退します。その手の企業は時代に合わせた柔軟性とか法令順守とかよりも上層部の権限だとか利益の方を優先する傾向があります。結果ガラパゴス化したり法令違反を犯したりします。

最悪なのは上官(上司)の命令に逆らえない兵士(社員)に責任を押し付け切り捨てるところもあります。

 

自分の身を守るうえでも、企業の将来性を考えても新人研修で自衛隊入隊させる様な企業は避けるか、運悪く入ってしまってもとっとと辞めた方が無難でしょうね。

そういうのむしろ歓迎!という思考よりは筋肉にモノをいわせる馬力のあるゴリゴリの体育会系の方は別でしょうけど。