思えば2011年、震災の記憶も生々しく残り暗く沈んだ日本にW杯制覇というとてつもなく明るい希望を与えてくれ、そこからロンドン五輪~昨年のカナダW杯まで主要大会で3大会連続決勝に進んだ。ロンドン、カナダと決勝でアメリカに敗れはしたがこれは相手が強かったので仕方ない。この5年近く、決して順風満帆だったわけではなかったと思う。それでも苦境のたびに底力を見せてくれた。
今回の予選の結果はもちろん悔しい。だけど誰かを責める気にはならない。
一部メディアやネットでは戦犯は誰それ、みたいな論調が見られるが彼らの頭の中には発泡スチロールでも詰まっているのだろうか。彼女たちが与えてくれた感動や希望や勇気をもう忘れたのかな。感情的な批判をしている人たちは、自分たちは彼女たち以上に世界に「日本ってスゲーな!」「日本ってクールだな!」と思わせたことがあるのかな。
そもそもスポーツに勝ち負けはつきもので、どんな強いチームでも永遠に勝ち続けることはできない。一昨年の男子W杯でのスペインがそうだったしや今最強と言われるバルサだっていずれは勝てなくなるだろう。憎たらしいほどの強さを誇ったマンチェスターユナイテッドだってファギー後はペースを取り戻すのに苦しんでいる。
だいたい選手たちが一番悔しくふがいなさを感じていることだろう。
マンネリに陥ったとか他チームの成長が日本の進化を上回った、などいろいろと理由があると思う。
下の世代の突き上げも少なくチームとしての成長するうえで壁にぶち当たっているのかもしれない。
でも壁を感じられるということはまだまだ成長できるということでもある。
成長しない人間は現状に満足するためそもそも壁など感じない。
壁を感じ、そこにはじき返されるものだけが成長のチャンスを得られる。
僕はなでしこジャパンを信じる。
彼女たちなら今の壁を乗り越えて再び世界のトップを争える、世界を驚かせる高見に進めると思っている。
太陽は沈む。また明日昇ってくるために。