ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

ハリルホジッチの解任は当然だ

ハリルホジッチがとうとう日本代表監督を解任されました。後任は西野朗氏です。ここ最近の日本代表は雰囲気も悪いし、結果も出てないしで解任そのものは妥当だと感じてます。むしろ遅いくらい。

独裁者ハリルホジッチ

ハリルホジッチといえばPSGの監督時代に一部選手と衝突し「独裁者」と言われていたように、やや硬直した考えがあるような気がします。PSGでも最終的には求心力を失い、成績不振から解任されています。リーダーシップと独裁は違います。ハリルホジッチの監督としての手腕を全否定する気はありませんが、このまま日本代表を率いていてもよほどのことがなければ好転することはなかったのではないでしょうか。その意味では解任やむなしです。

解任の時期について

それはもう解任は早ければ早いほうが良い。「いまごろ解任するのはおかしい」というような声もあるようですが、失敗するとわかっててワールドカップに臨む必要はないでしょ。ハリルホジッチの戦略や戦術がどうのこうのではなく、もはや選手が言うことを聞かないのだからなにをやっても無駄。これはどんな名将にも当てはまることです。日本はたまたまハリルホジッチが監督だっただけでモウリーニョだろうが、アンチェロッティだろうが解任された経験のある監督をみればわかりますが、一度失った求心力を取り戻すのは至難の業です。

ハリルホジッチ解任のメリット

ちょっとハリルホジッチを解任したことで得られるメリットとデメリットを考えてみました。

雰囲気向上

これが一番大きいでしょう。よく解任ブースト(監督を解任すると、それまで成績が低迷していたチームがウソのように息を吹き返す現象)といわれますが、プレイするのは生身の人間です。メンタルが及ぼす影響は大きい。一般人だって嫌な上司のもとで働くと生産性上がらないでしょ?

代表への関心が増える

良くも悪くもこれからの代表は注目を今以上に浴びます。選手たちの姿勢も変わるし、特に今干されている選手は「チャーーンス‼!」と感じるでしょう。これ大事。

手の内を知られない

世界各国の偵察部隊が「Who is 西野?」となります。ハリルホジッチのままだと研究もされ尽くしているでしょう。そこにフレッシュな(還暦は過ぎてるが)西野監督が出てくれば相手を混乱させることができるかもしれません。できればいいなぁ…。

ハリルホジッチ解任のデメリット

一方でもちろんデメリットもあります。まーすでに賽は投げられたんだし、結果を受け入れるのみなんですが。

本番まで2か月!間に合うか?

確かに。ギリギリの時期に監督解任するのはかなりリスキーです。一から戦い方を構築・確認する余裕はなく、選択するのは目新しさのない、無難な戦い方でしょう。せっかくのワールドカップで「日本らしさ」を追求し披露できないのは痛い。

イメージダウン

Twitterなどでは「協会トップもクビにしろ!」なんて意見が多数見受けられます。混乱した組織というパブリックイメージを世界に発信することになったのはダメージですね。

ハリルホジッチ解任は正しい決断

メリットデメリットありますが、僕はハリルホジッチ解任は正しい判断だと思います。時期はもうちょっと早くても…とは思いますが、解任自体は間違ってない。明らかに合わないとわかってて使い続けるのは意味不明でしょ。ハリルホジッチ解任に否定的な人は日本代表にそんな余裕があると考えてるのだろうか?合わないとわかってて使い続ける余裕があると?

ただし成績不振やハリルホジッチとのディスコミュニケーションは選手たちにも責任の一端があります。彼らはこれから自分たちが正しいんだということをワールドカップを通じて示さなければばならなくなりました。乞うご期待。

協会の責任はどうなるのか

ややヒステリックな人たちが「協会幹部のクビも飛ばせ!」と息巻いていますが、それをいまやるのが最大の悪手であるのは言うまでもないです。今回の件は日本サッカー協会の一部門であるサッカー男子日本代表の成績不振その他の責任を部門長であるハリルホジッチの適格性の欠如に見出し解任したというのが実際のところです。協会幹部のクビを切る事案ではありません。

では協会幹部はいつ責任をとるのか、と言われれば決まっています。今回のケースで言えば、ワールドカップで不本意な成績に終わった場合です。4年間というワールドカップ事業の総決算をして、目標を大幅に下回り、大赤字になった時にかれらの組織トップとしての責任を問うことになります。その時は大いに協会幹部を糾弾したらよろしい。

目先の結果にこだわり抜くからこそ将来の結果を見えてくる

今回のハリルホジッチ解任を「目先の結果にこだわった短絡的な悪手」と論じる人もいます。

ちょっと待って欲しい。スポーツなんて目先の結果にこだわってなんぼだぜ?

目先の結果にこだわらなければ、いつの結果にこだわるの?

目先の結果を捨てていいのは、将来のより大きな結果を得られる確信を持てる時だけです。そしていまのハリルホジッチ体制ではそれは難しいことは僕のようなサッカー素人でも感じます。なぜかって、スポーツだろうが、事業だろうが、恋愛だろうがなんにせよ、上手くいくために一番大事なコミュニケーションができてないんだから。

 

だいたい日本のような弱小国にとって目先の結果にこだわってコツコツ落穂ひろいをするのは決しておかしいことではありません。

もしも目先のこまごまとした結果にこだわったうえで、それでも結果が出ないとか、ある一定のレベルを超えられないと分かった時にさらなるランクアップのための試行錯誤が始まるのです。

 

行動するのに遅すぎるということはない。

日本代表が楽しみになりました。