文部科学省が発表した2016年度の公立小学校教員の勤務実態の調査結果がだいぶヤバいことになっています。
こんにちはジンジャーです。
調査結果では過重労働の原因がはっきりしています。特に部活の顧問の負担はかなり大きいと見受けられます。過重労働を是正するには部活を廃止してはどうか、という話です。
約6割が過労死ライン超え
調査では中学教諭のおよそ6割が週に60時間以上勤務しています。1週間の労働時間は法律で40時間が上限と定められています。つまり60時間勤務するということは1週間につき20時間残業するということです。1か月を4週間とすると月に80時間以上の残業をしている計算になります。つまりよく言われる過労死ライン*1の月80時間残業に中学教諭の実に6割が該当しているというのです。
勤務時間が減らないのはなぜか
調査では公立の中学教諭の1日の平均勤務時間は11時間32分となっています。前回の調査から32分増加しています。中学教諭の勤務時間はなぜ増えたのでしょうか。原因の一つに「脱ゆとり教育」があります。指導要領の改定により授業コマ数が増えています。もう一つの要因として部活動にかける時間の増加があるでしょう。
部活動の顧問は廃止していい
僕も中学~高校と部活をしていましたが大人になってみると「部活っていらなくない?」と思うようになりました。運動でも文化系でも何かしたいことがあれば地域のクラブ・サークルへの参加の方がいいんじゃないか、と。部活動=教育の一環という考え方に違和感を覚えるんですよ。スポーツでも文化系の活動でも基本は自分が楽しむためにやるもの。そこに教育的~なんてことを持ち込むからおかしなことになる。
餅は餅屋に
特に中学校レベルだと部活の顧問だってその部活の内容について専門家といえるほどの知識や技術や経験を持ってない場合の方が多いんじゃないか。本来の業務以外に覚えなきゃならないことが増えるから教諭の負担が増す。地域のスポーツクラブや文化系のサークルの場合それなりの指導実績や経歴のある人が携わってたりしますよね。しかもそういう人達は好きでやっている。であれば餅は餅屋じゃないけど専門的に教えられるところでやった方が良くないですか。中学はあくまで勉強を教えるところ。それが教諭の役割ではないでしょうか。
地域の活性化にもつながるかもしれない
地域のクラブやサークル活動が活発になれば希薄になっている地域間の繋がりも密になるでしょう。学外の同じ趣味の人と交流できるのも子どもにとって魅力です。基本的に学校内だけで完結する部活より世界が広がるんじゃないかと思います。もちろん学校の先生だって参加していいですよ。でもそれは本当の任意です。何らかの部活の顧問をしなきゃならないという制度をなくしませんか。
教職が3Kになってしまう
教諭が本来の役割を越えたところで過重労働に陥り、結果として6割もの人が過労死ラインとなっています。子どもたちへの教育を考えても非常によくない。メンタル不調で休んでしまう教諭を見て子どもたちはどう感じるでしょう。親を除けば教諭というのは子どもたちの身近な「社会人」です。メンタル不調に倒れる教諭を見て社会に出るのはコワイ…と思ってしまわないでしょうか。過重労働とかモンペの対応とかこのままでは誰も教諭になりたいと思わなくなってしまうんじゃないのかな。
働き方改革の実現に向けて
残念なことに現実は公立中学の教諭は今後行われる残業時間の上限規制の対象外となっています。労基法とは別の法律の対象となるためですがどうなんでしょう。先にも書きましたが子どもたちに教える立場の教諭がどんよりとした、沈んだ顔をしていたら…
もう部活動というのは時代にそぐわない制度だと僕は思っています。実力もないのに上級生というだけで威張ってたヤツとかいたでしょ?そういうのも含めてぜんぜん時代に合ってない。今回の調査でも部活の顧問が公立中学教諭の過重労働の原因になってるのがはっきりしているので、部活の顧問から教諭を解放して、過重労働からも解放するようにしませんか?
今回は、公立中学の教諭の過重労働の是正について考えるという話でした。
ではまたね!
*1:脳血管疾患、心臓疾患等の発症リスクが高まり現に発症した場合は労災と認定される可能性が極めて高い残業時間数