ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

緊急事態宣言下でのオリンピックというギャグ

世界最先端の国、ニッポン。さすがです。緊急事態宣言下でもオリンピックを開催するらしい。IOCはその気満々。しかしこれほどオリンピック開催国に暮らす人々を舐めた思考はない。それに対して特に異を唱えない日本政府。いったい何がこれほどまで彼らをオリンピックに駆り立てるのだろうか。

 

一つはお金。ていうか利権。中抜きの世界新記録でも作ろうっていうのか。世界のトップアスリートの勝つための執念はすごいが、利権屋たちの「なんとしてでも税金を分捕ってうまい汁を吸おうぜ」という執念はそれに劣らずすさまじいものがある。前者は人々に感動を与えるが、後者は吐き気を催させるという違いはあるのだけれども。

 

もう一つは「なんやかや言われてもオリンピックを開催すれば日本人は夢中になるし、政権への不満など消し飛んでしまうだろう。そうなれば秋の選挙でも勝てるはずだ」という思惑である。しかしこれほど国民をバカにした話もない。ていうか本当にそんなことを考えているのだとしたら普段どんな情報に接しているのだろうと心配になるレベルだ。もしかすると2011年の震災後になでしこジャパンがワールドカップに優勝して日本中が盛り上がり感動した、あの再来を狙っているのだろうか。んなバカな。当時と今では状況が全然違う。とにかく現政権に人心を想うなんていうことがないのは間違いがない。金か票。それだけが彼らを突き動かしている。

 

さらに政権は武器を手にしている。オリンピックが盛り上がりに欠けるものとなった場合はとにかくオリンピック反対派のせいにしておけばよい、というものだ。そうすれば自民党というカルト宗教の信者が反対者を誹謗中傷してくれる。もしも医師や看護師などのボランティアが足りないなんてことになれば医師や看護師を攻撃すればよい。国際的そして国民的行事に非協力的な非国民。政権与党のだれかがそう呟けば医療従事者たちへの誹謗中傷で世の中は埋め尽くされるだろう。

 

さらにオリンピックを強行開催したことにより感染が拡大しても地方自治体や老人や若者のせいにしておけばよい。そういうことにしておけば信者が勝手に誹謗中傷をしてくれる。まるでナチス政権下のベルリンオリンピックである。熱狂は狂乱になり、狂乱は乱暴になる。そして乱暴は容易に手ひどい暴力にエスカレートする。

 

緊急事態宣言下であってもオリンピックを開催するというのはもはやギャグでしかない。国際的に大恥を晒すだけだ。恥を忘れた政権に未来は作れない。