ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

保育園の記者会見で得られたもの

この記事をシェアする

ネット上で意見が統一されることってあまりないと思うが、これは満場一致に近いものがある。大津の自動車事故で被害に遭われた保育士さん、園児の皆さんが通う保育園の記者会見は不要だった、と。

あのタイミングで記者会見してよかった

逆張りっぽくなるけど、そう思います。

 

なぜかって、あの記者会見をみてほとんどの人が思ったはずだ。

 

「被害者を晒すなんて趣味わるい」

 

だからマスコミが叩かれています。園児が亡くなって辛いはずの園長に記者会見させるべきではないし、不躾な質問をするマスコミは許せないと。僕はそれでいいと思います。

 

だってあれがなかったら、保育園の安全体制はどうだったんだ―!とか根拠もなく保育園を叩こうとする人間が絶対現れていましたよ。そして、そういう声に乗せられて「保育園は会見すべきだ」「謝罪すべきだ」と騒ぐ者が出てくる可能性がありました。

 

でも、今後そういう声が上がることはないでしょう。仮に上がったとしても「バカ言うなよ」の一言で鼻にも引っ掛けられずに終わります。

 

今回の事故に関して、保育園側に非はないでしょう。だからいわれのない誹謗中傷にさらされる危険が未然に除去されて良かったと思います。結果としてマスコミが泥をかぶった形となりました。

遺族への突撃は必要ないのか

この件に関してツイッターで、おそらくマスコミ関係者なのでしょう、事件事故の被害者家族へのコメント取りに疑問を呈す人がいました。それが嫌で会社を辞めたマスコミ業界の人間はたくさんいると言っていました。

 

たしかに、感情に従えば被害者(時には遺族であることも)に突撃取材なんて人としてはしたないと言いたくもなります。しかし一方で被害者の方たちの声を広く社会に届けるのもそれはそれで意味のある行為だとも思います。だから非常に複雑な気持ちです。

 

たとえば福岡県粕屋町で、2011年に飲酒運転による死亡事故がありました。被害者は男子高校生二人。ほんの数年前に海ノ中道で悲惨な飲酒運転による事故があったのに、なぜ。いつまで同じことを繰り返すのか。事故当時そう思い、憤った記憶があります。

 

僕は先日免許更新に行ってきたのですが、配布された資料の中に被害者の山本寛大(当時16歳)の母の山本美也子さん(47歳)のお話が載っていました。山本さんは、事故後飲酒運転撲滅のための講演活動などの啓蒙を積極的に行われているそうです。

 

毎日毎日日本各地でいろんなことが起きています。新聞には社会面だけでなく、政治・経済・スポーツ・文化と伝えることが盛りだくさん。ともすれば地方の一つの事故の話は埋もれて消えてしまいそうになります。現代は情報の消費量も消費スピードもものすごく速い。

 

だから伝えていく必要がある。伝え続ける必要がある。強い声で。

 

こうした被害者や遺族の声を届けることによって、事件事故の悲惨さを伝え結果的に抑止につながるのであれば意味があるのだと思います。

 

自分自身は危険な運転をしてないか省みたり、飲酒運転を軽く考えている人がいたら注意をしたりすることは僕らにもできることです。そうしたことの積み重ねが、危険運転や飲酒運転を減らしていくことにつながるはずです。

 

もちろん、単に数字稼ぎのためや下世話な興味本位での突撃取材は慎むべきでしょう。もしもマスコミがそうしたおかしな方向に進んでいれば、それは僕らがきちんと声をあげればいいのかな、と感じます。

 

被害者や遺族の方たちの悲痛な思いを、形にしてよりよい社会にしていく。これは伝えるマスコミだけではなく、この社会に暮らすぼくらひとり一人の責務だと思います。コメントがなければ埋もれてしまう事件事故も多数あるでしょう。マスコミガー!というだけではなにもならない。被害者や遺族の方の魂から絞り出されたものを、どうやって意味のあるものにするのか。僕自身、小さな子を持つ身として、彼らにどれだけ良い社会を承継することができるか考えないといけないですね。

おわりに

一日も早く平穏な日常が訪れますように。