ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

ハロウィーンと特攻服

声に出して読まれたら死ねる卒業文集

卒業文集はそのまま実家の物置きの奥深くに眠っててほしいと思ってるジンジャーです。

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Yahoo!ニュースでちょっと話題になってます。福岡市で卒業式を終えた中学生が特攻服に身を包み繁華街に降臨したそうです。最初はJR博多駅。警察に帰るよう促された後は福岡市の中心街・天神にある警固公園に集結。その数なんと200人近くというからよっぽど暇だったのでしょう。最終的に警固公園は封鎖され夜も更けると子供たちもやがて散り散りになったそうです。大きな混乱もなく良かったと思います。警固公園が封鎖されている時点でだいぶ混乱ですが。

例えばこの日警固公園で待ち合わせをしていた人は急遽場所の変更を余儀なくされたことでしょう。もし「今日こそ勇気を出して警固公園で彼女にプロポーズするだすよ」と意気込んでいた若者がいたとしたら。プロポーズどころかプロポリスです。ちょっと何言ってるのかわかりません。あるいはポケモンGOをしていてレアモンスター発見!と警固公園に飛び込んだら金髪に特攻服の中学生達に取り囲まれ「俺が捕獲されんのかい!!」となってしまう危険性だってあったのです。

あと気になるのが特攻服です。特攻服ってどこで手に入れるんでしょう?市販されているのを見たことがありません。通販でもしているのでしょうか。まぁランドセルが海外セレブに愛用される時代だからもしかすると特攻服も売り出し方によっては海外で流行るかもしれません。テーパードになってたりくるぶし丈で今っぽさを演出したり。今の時期ならパステルカラーの薄手のカーディガンを上から羽織ってもいいですね。

しかし海外で売り出す場合、特攻服は英語で何というのでしょうか。

type of long jacket worn by bousouzoku biker gang members

(weblio調べ)

長いわ。

‟bousouzoku”って言っちゃってるし。だいたい‟bousouzoku”はバイカーなのか。車に乗ってるヤツもいるんじゃないのか。第一全然特攻感がないじゃないですか。やはりそのまま‟tokkofuku”でいいんじゃないでしょうか。

ハロ‟ウェーィ”ン 

1年前、特攻服を着て博多駅に向かったという高1男子(16)は「ハロウィーンで大人は街中で大騒ぎするくせになぜ子どもはだめなのか。卒業式後がおれらの本当の卒業式。先輩から受け継ぐ伝統なんすよ」。 

   (引用元:西日本新聞2017年3月16日付朝刊)

 なかなか痛いところを突く。

きっと昨年「特攻服なんて着て博多駅に向かんじゃない!」と大人に諫められたのでしょう。そして脳みそを雑巾のように固く絞り考えたのでしょう。なんて反論すれば効果的なんだ…と。そして出した答えが「大人がハロウィーンで騒ぐのは良くて子どもが卒業式後に騒ぐのはなぜダメなんだ!おとなのエゴじゃないのか」と。まるでカミーユ・ビダンの様な繊細さです。

よろしい。せっかくの機会なので思春期に少年から大人に変わる(壊れかけのradio)彼の疑問に僕が答えたいと思います。

まず言っておきたい。君は勘違いをしている。前提が間違ってるんだよ。

「ハロウィーンに街中で大騒ぎしてもいい」と考えている大人などいない!のです。

ハロウィーンの時ニュースで流れるよね?あれは渋谷のスクランブル交差点という月の斜め裏側の様な異空間で起きるものであって。ニュース映像で流れているから見ていられるのです。「火の用心!カチカチ!」でさえうるさいと感じる今日び自宅の前の道路で日本式ハロウィーンなんてやられてみなさい。火のついた矢を放つぞ。

 つまり街中を不法に占拠して騒ぐこと自体が普通はNGなのです。そこに大人も子どもも関係ありません。ましてや特攻服で人を威嚇しておきながら自己の権利だけを主張するのはいただけません。いただくのは卒業証書だけにしてください。

さらに「卒業式後がおれらの本当の卒業式」とはどういう意味でしょう?最初の卒業式は偽の卒業式なのかな?だとすればおとなしく偽卒業式に出席するというのはどういうことなのか。偽番組の打ち合わせのためテレビ局に呼ばれた芸人か。モニタリングされてるのか卒業式は。

先輩から受け継ぐ伝統ってのもよくわからない。現代の名工に弟子入りしてこの技術を後世に残したいというのなら分かりますが。この卒業式後に始まる本当の卒業式というのは無形文化遺産とかに登録されるような伝統なのでしょうか。だいたいホントに先輩を尊敬してるのかも疑問です。先輩のいないところでは「たかが1年位早く生まれたくらいでデカい顔しやがって」とか思ってないよね。

 

だから僕は若い人たちに言いたい。街中で騒いではいけないというルールをはみ出したい気持ちは理解できなくもない。ただその前に先輩から‟何の疑問もなく”受け継いだ伝統という因習や呪縛から卒業することこそが君たちの本当の卒業式じゃないのか、と。

 

中身はないけどいいことを言ったっぽい感じになったので今日はこのへんで。

今回も最後までお付き合い頂いた皆さんにエールを!

では。