ジンジャーエール

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高齢者叩きは嫌い

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麻生太郎の発言が炎上した。少子化は子どもを産まない人のせいだということだ。

これは子どもを不妊で産めない人、経済的に子どもを産めない人、そもそも子どもを持つという選択肢を持たない人に社会問題の責任を転嫁するようなものだ。

少子化を抑制する政策や、少子化が推進しても持続可能な社会制度を作るなど政治家の責任が一番大きいのではないか。

 

だから炎上し、発言撤回に追い込まれるのも仕方ない。

そもそも少子高齢化という一緒くたにしている認識はどうなんだろう。僕は「少子化」と「高齢化」はそれぞれ別の問題だと思っている。高齢化は医療の進歩や食生活、生活習慣の変化などによる自然なものではないか。先進諸国はどこも平均寿命は延びている。

平均寿命の国際比較|厚生労働省

 

高齢化が進むから少子化が到来するわけでも、少子化になったから高齢化が進むわけでもない。しかし少子化が進めば現役世代の負担は増えるのは事実だ。だから高齢者を叩く人が出てくる。たとえば年金については、いま受給している人たちは現役時代の給料額にもよるが、月に20万円を超える額を受給している人もいる。現役世代でも月に20万、25万円しか稼げない人も結構いる中で、既にリタイアした人がこれだけの年金をもらってるのはおかしい、というわけだ。

 

よくメディアなんかでは「逃げ切り世代」と言われている。要は後の世代にツケを残して自分たちの権益は確保しておく、ということだ。現役世代から見るとズルいということになるのだという。

 

僕はこういった、過度な高齢者叩きが嫌いだ。そりゃあいまの高齢者たちがちゃんとした社会をつくらなかったから責任があるという論調にも一理はあると思う。では今現役世代の僕らは次の代や次の次の代のことを考えて動けているか?あと30年もしたら僕らも「無責任な高齢者」扱いされるぞ。

 

麻生太郎の今回の発言に一点共感できるところがあるとすれば、それは社会保障について高齢者に責任を押し付ける変な奴がいる、という点だ。ほんと異常に高齢者を叩く人がいるが、あれは何なんだろう。

 

たとえば僕の父は戦後すぐの生まれだ。それなりに名の知れた企業に勤めて、それなりに出世したので年金もそこそこの額を受給している。いわゆる逃げ切り世代に入るだろう。しかし戦後すぐの生まれということは、混乱したあの時代に生まれ落ちたということでもある。物資も乏しく、いまのように飽食の時代ではない。父の実家は田舎の農家だったので食糧事情はまだマシであったと聞いた。都市部などでは、いまの時代なら大きなニュースになる栄養失調や餓死も終戦直後はよくあったのではないか。そういう時代に幼少期を過ごしたのがいまの70,80代だ。

 

いまのように大学全入の時代でもない。学びたくても家庭の事情で進学を諦め働きに出るなんてこともザラ。決してゆるく生きてきたわけではないと思う。

 

年金だってそうだ。その昔は55歳から受給できたのが60歳になり、いまは65歳からに段階的に引き上げられている。普通に考えたらこんなの国家的な詐欺だろう。いまの高齢者に社会の現状に対する責任が全くないとは言わない。しかし高齢者は高齢者で前世代の戦争というツケを払わされた歴史があるわけで。

 

結局安易な世代間闘争に陥っても何も解決しない。問題は持ってる人が持ってない人にきちんと配分するような仕組みになってないことじゃない?そういう仕組みを作ってこなかった政治家たちこそ責任があると思うんだよね。

 

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