ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

西村大臣は辞任するのかしないのかを考える

なんでこんな人物をコロナ対策の担当大臣にしたのだろうか。西村康稔。酒類の提供停止に応じない飲食店に対して取引金融機関から働きかけを行うよう国として要請するというとんでもない暴挙を働いた。普通なら即辞任ものだろう。大臣を、じゃない議員そのものを辞職するべきだ。それくらいの暴挙だった。

なぜ辞任しないのか

とかく目の敵にされている飲食店。これまでは我慢を重ねてきただろうが、今回の件で政府は完全に一線を越えてきたので、もはや飲食業従事者やその家族で政権与党を支持する人は激減しただろうね。

 

今年の秋には衆院選挙が控えている。これまで失政に次ぐ失政を重ねてきた自公政権。単独過半数割れが噂されている。あと1,2か月の展開次第ではさらに厳しい状況になるだろう。

 

普通に考えればダメージをできるだけ少なくするために西村大臣の首を切るべきだ。しかし菅政権は西村大臣の首を切れるだろうか?なにしろオリンピック直前の時期だ。開幕を間近に控えたこの時期に、よりにもよってコロナ担当大臣を変えることはできない。政権に与えるダメージが大きすぎる。

 

コロナ担当大臣を変えなきゃならないような政権がオリンピックを成功させることなんてできるわけがない。世間からそう思われるのがオチだ。何一つコントロールできない無能な首相。そういう評価は絶対に避けたい。

 

しかし一方で西村大臣のまま適切なコロナ対策ができるかといったら甚だ疑問である。もはや西村大臣のいうことをまともに取り合う人はいないだろう。指導力皆無。どこぞの中学の生徒会長の方がよほどましかもしれない。そしてそんな大臣の首を切れない無能な首相。そういう評価は絶対に避けたい。

腐れメダル

菅政権にとっては行くも地獄引くも地獄の状態。西村大臣の首を切っても切らなくても支持率爆下げは確実な状況である。まあそんなコロナ担当大臣を戴く国民はもっと地獄なんですけどね。

 

仮にオリパラで日本人選手がメダルラッシュをしようがもはや「その程度のこと」で痛みを忘れるほど、国民は甘くない。そういう状況を菅政権は作ってきたのである。政権の面々が首にかけているのは腐臭のする、鈍い色の腐れメダルだ。

 

ひたすら国民に我慢をお願いし、その代償としての補償はろくにせず、自己責任で切り抜けようとするだろう。もはや自公政権には有効なコロナ対策は打てない。なに、都合が悪くなれば感染者数を少なめに発表すればよい、くらいのことは考えていそうである。雇用に関する統計調査では数字を誤魔化すという実績も既にあるしね。

思考停止のまま突き進むジャパン

菅政権は今回の西村大臣の暴挙について大臣をクビにすることもできず、かといって総理自身が必要な指導力を発揮することもなく「国民はそのうち忘れてくれるだろう」という思考停止のまま進むと思う。

 

今後考えられるのは無為無策のままオリパラに突入し、一方で飲食業は深刻なダメージを受け倒産増。感染者数も増え自公政権は茫然自失の状態のまま衆院選に臨むというシナリオ。

 

慌てて選挙対策の給付金を打ち出すかもしれない。選挙の結果政権を維持できれば反故にするだろうけど。2017年衆院選時に掲げた保育無償化みたいに。選挙後に「やっぱり認可外は対象外にしまあす」って言いだしたのを忘れない。

 

しかし今回ばかりは国民も政権の無能無為無策を忘れはしない。コロナに関してはほとんどの国民が自分事として生活に影響を受けた。どこかの誰かの問題ではないんだ。西村大臣の暴挙に多くの国民が感じたのも、今回はたまたま飲食業が的にされただけで国は狙い撃ちしようと思えばどんな業界、職種でも圧を掛けられるぞという得体のしれない強権政治の恐怖だ。