全国的に名の知れたお祭り。岸和田だんじり祭が開催されるそうだ。9月に2年ぶりに開催することが決まったと報じられている。規模を縮小して、感染症対策を徹底して行うということだが、はたして成功するんだろうかというのが正直な気持ちだ。
超密となるお祭り
感染対策として集団での練習禁止やワクチン接種の推進、祭り本番2週間前からの検温などを徹底する、とのこと。しかし祭りっていうのはとかく超密になるものだ。いくら屋外とはいえ密中の密なのだ。ハッキリ言って感染対策なんて気安めでしかないだろう。
観客だって多数来るだろう。その人たちの感染対策は完全に自己責任だろう。9月ごろになるとある程度ワクチン接種も進んでいるかもしれない。それでもまったく油断できない。オリパラが終わり第何波目かで感染者が激増している可能性だってある。
そうしたら終わるぞ。
コロナ禍で開催する意味
開催することを決定した理由として運営組織は「2年連続中止になると文化や伝統の継承に支障が出る」と述べている。その考えは分かる。2年も中止が続くと参加者の気持ちが離れてしまうのを一番恐れているのだと考えられる。
岸和田だんじり祭に参加している人たちって地元の人以外もいるんだろうか。ゴリゴリの地元の人ならまだしも、非地元民で参加している人の中には中止が続くと参加することへのモチベーションを保てない人が出てきても不思議ではない。
しょせん祭りは祭り。人生にはそれよりも大切なものがある。家族、仕事なにより自分の健康。時間が空くとそういうことを考える余裕が出る。2年連続中止にしたとして、来年開催するとなった時にそうした人たちが戻ってきてくれるだろうか。
コロナ禍で送り出してくれる家族や会社はあるのか
今年開催するとして、そもそも快く送り出してくれる家族や職場はあるのだろうか。祭りに参加するには家族や職場の理解が必要だ。
開催したとしても参加できる人の数が少なくてスカスカの状態で山車を動かせるんだろうか、という心配がある。そっちの方が格好つかなくないだろうか。正直言ってその可能性は結構あると思うよ。
中途半端にするくらいなら少なくともワクチンが全国民に行き渡るまでは中止・延期という選択肢もあると思うんだよなあ。
博多祇園山笠は今年も延期
かくいう僕も博多祇園山笠に参加しているので、2年連続中止を避けたいという岸和田だんじり祭の運営組織の気持ちは痛いほどわかる。人が離れていってしまうんじゃないかという懸念。めっちゃあります。
山笠だって超密なお祭りであることには変わりはない。今年も延期と決まったけどそれは仕方ないと思ってます。普段の山笠は期間中一つの流で延べ千人近くが関わる。しかも全国各地から参加する人が集まる。感染者が一人でも出ればあっという間にクラスター。とても防ぎきれない。
それに会社勤めの人などは、会社が参加を許してくれないだろう。いくら山のぼせといってもこのご時世会社を辞めてまで祭りに参加するのはリスキーすぎる。
でも一方で、組織としては非常に危機的状況だ。モチベーションを保ついい方法はないだろうかといつも思っている。
大阪という土地
なにより大阪という土地柄に対する懸念がある。残念ながらおおさか維新の会が牛耳る大阪の現状はコロナ対策という点ではおそらく全国ワーストだろう。定額給付金や協力金の給付率は全国1,2を争う低さだった。
とても超密となる岸和田だんじり祭を開催してタダで済むとは思えない。もし多数の感染者が出た際には行政は何もしてくれないのではないか。かなりリスクのある賭けではないだろうか。
伝統の維持には苦しいかもしれないけど、もう1年待った方が良かったのではないかというのが僕なりの結論だ。