ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

2020年がやってきた

あけましておめでとうございます。

 

言ったそばから何がめでて〜んだという気分にならなくもないそんな2020年です。今年な何といってもオリンピックイヤーです。これから1日1日とオリンピック開幕が近づくたびにあのよくわからないお祭り騒ぎになるのかと思うと少々うんざりする。だいたいオリンピックを何で大金かけてやらなきゃならんのよと思うわけで。まあ今さら開催地の変更なんてできないでしょうから受け入れるしかないけど。

オリンピック後に景気が悪くなる?

よく言われることに「オリンピック後に景気が落ち込む」というのがある。2020年後半以降景気が失速する、と。いやいやもうすでに景気悪いんだけどね。消費税増税とそれに伴う社会保障費の削減。ちょっと待てって感じじゃないか。消費税増税の名目は社会保障費への補填じゃなかったのか。ところが国保や介護保険の保険料や自己負担分はなぜかアップする。年金は支給開始年齢の繰り下げが真剣に検討されている。

 

オリンピック後に景気が悪くなるのではなく、日本の場合とっくに悪くなっていた景気の実像がオリンピックという幻想で覆い隠されていて、その夢から醒めたみたいな感じになるんじゃないだろうか。まさに悪夢のような話です。

働き方改革はどうなる

昨年来進められている働き方改革関連法案の改正とその施行はどうなるのか。残業の上限規制は2019年4月にいったん大企業から適用が開始されていました。そして2020年4月からは中小企業も対象となる。どのくらいの影響が出るのか注視したい。

 

それと同一労働同一賃金。パート・アルバイト等の非正規雇用者について大企業は2020年4月から法改正が施行され不合理な待遇差が禁止されます。中小企業はさらに1年後の2021年4月から適用されます。しかし派遣労働者については企業規模に関係なく2020年4月から適用開始。体力があまりない小規模派遣会社にとっては結構厳しい環境になる。

 

派遣会社が全て悪かというと、そういうわけでもない。中には普通の派遣会社もある。特定派遣からの流れできている会社なんかは社員を結構大切にしていたりします。平均在籍期間もその辺の非派遣会社に比べて長かったりする。

 

この辺りの働き方改革に関する改正点や注意点については別の機会かまたは別のブログでしっかりと書きたい。なのでここではくどくどと書かないけど、一連の働き方改革について僕個人としては非常に中途半端で当を得ない点が多々あるものと評価していることを記しておきたい。

 

年次有給休暇の5日取得義務化なんかまさにそれで、本当に年休の取得率を上げたいのであれば年間5日取得させることを義務付けるなんて半端なことをせずに100%消化させるとかあるいは同じ5日でも連続5日とする、とか本当に休みやすい環境を作るための施策は別にあるはずだ。事実、企業の中には5日取得させれば義務を果たしたことになるんだからとりあえず5日渡しときゃいーじゃん、あとはシラネみたいな経営者もいると聞く。ていうかいる。

 

なので本当に休みが増えるのはか疑問がある。残業規制にしても同様だ。どうせ法の網をくぐるようなことを考えつく人がいる。罰則付き上限規制といっても実際に罰金が科されることは稀だろう。何しろ立件されないといけない。通常は是正勧告を受けて是正されれば終わりなわけだから送検されるケースはごくわずか。じゃあ是正報告した企業がその後ちゃんと法律遵守しているかというと、数ヶ月後にはまた元の法違反状態に戻っているケースは後を絶たない。

労働者に厳しい国日本

賃金債権についても現在時効は2年(退職金は5年)。これを延ばそうといういう動きがあるがなぜか3年ということになっている。民法規定では5年の時効となるのに、民法を補完する特別法の労基法の方が時効が短いなんておかしくないだろうか。なので民法同様に5年への延長が求められていたところ、企業経営への負担増を考慮して3年となりそうだとのこと。消費税増時で生活費の負担増となっている労働者の負担は考慮されないのか…。

 

こういうこと一つとっても現在の法律が一体誰の方を向いて作られているのかがよくわかります。本来法律で守られるべき弱者の方を向いていない。企業が労働者へ賃金未払いを一切しないのであれば時効はまあ3年でも2年でもいいでしょう。だいたい賃金を払わないのがおかしいのであって、そうした企業の負担を慮るってのはどういう理屈なんだろう。

 

労働者を追い詰めると、結局のところ企業経営に悪影響が出るというのは当然だ。低賃金なら消費を控えるしモチベーションも上がらない。となれば業績に影響が出るのは当たり前じゃないか。今までは「代わりはいくらでもいる」とないがしろにできただろうがこれから人口減の時代、世界との人材獲得競争の時代にそんなことを言っていては持続性なんて確保できない。そのことを理解していない経営者が多いのだろうね。まあ政権与党の時代錯誤の世界観を撒き散らす爺様連中を見ると頷ける。

 

技術的にいくら進歩しても、精神的には野麦峠や蟹工船の時代からちっとも進化していないのが日本の経営層ではないだろうか。失われた20年ではなく、本当は失われた100年くらいあるんじゃないか。なんか暗い話になってしまいましたが、次の世代におかしな国をおかしな世界観のまま渡すわけにもいかないので2020年はもっと気合を入れて働かないといけない。結局精神論になってしまったけど。