ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

芸能界村って怖い。

金太郎飴のようなご意見番達

女優の清水富美加さんが突然芸能界を引退すると報じられ世間に衝撃が走ってますね。特に引退後は「幸福の科学」での活動に重点を置くということで色んなことが言われています。基本的に思想信条や信教の自由があるし僕自身は「幸福の科学」のことをあまり知らないので“そっち”方面に関しては「ふーん。信者だったのね」くらいの感想しかない。

しかしこの騒動に関して芸能界からは清水さんを批判し、所属事務所を擁護する発言ばかりが聞こえることには少しばかり違和感を感じます。それとも清水さんに同情的な意見もあるけど表だっては言われてないってことなのかな?

芸能人も一般人もみんな人

清水さんを批判する意見としては

・育ててもらったのに恩知らず

・仕事に穴を開けるとか責任感なさ過ぎ

・給料安いっていうけど、若い内はみんなそう

確かに芸能界は一般の社会とは違うのかもしれません。芸能人の労働者性については確かに微妙です。なので普通のビジネスパーソンの感覚をそのまま当てはめて是非を問うことは妥当ではないのも一理あるように思えます。

ただ、芸能人にも一般人にも共通することがあります。それはどの世界にいようとも「人間」であることに変わりはない、ということです。

責任感の意味とは

確かに仕事に穴を開けるのは社会人として問題でしょう。しかし「穴を開けざるを得ない」ほど追い込まれていたとしたらどうでしょう?

僕は人としての最も重い責任は「生きる」ことだと思っています。

この世に生まれてそれ以上に責任のある“仕事”はありません。働くことの責任に押しつぶされて「生きる」という責任を放棄するなんて本末転倒でしょう。

清水さんが追い込まれたのは個人の問題なのか

それに責任と言えば若い、これからの女優をこれほどまで追い込んだ所属事務所の責任を問う声が芸能界から聞こえないのにも違和感を感じます。清水さんが逃げ出したのは彼女が弱い人間だったからでしょうか?

同じような出来事を経験しても個人ごとの強さ弱さで、例えば鬱病などの発症には差があるといいます。しかし清水さん側が発表した待遇を読むとさすがに引きますね(もちろん片方の言い分をそのまま信じるわけではないけど)。

それに一流の企業では部下が精神疾患を発症した場合、その上司の評価が下がります。芸能人は普通の労働者と比べ難いですがそれでも所属事務所の管理能力に誰も疑問を差し挟まないのは不思議です。

「特殊な世界だから」こそ逃げではないのか

芸能界はそういう世界。若い内は給料安くても仕方ない。事務所もその分レッスンだの何だのと投資してるのだから。自分たちの若い頃もそうだった。

多くの芸能人がこういうコメントをしています。

これにも凄く違和感を感じます。「特殊」な世界とは便利な言葉です。

では電通も一般企業とは違う特殊な企業だから高橋まつりさんがああなったのも彼女が弱いからなのかな?

飲食業界や運送業は長時間、重労働が当たり前になってるけどそういう業界だから甘んじなきゃいけないのかな?

介護業界は低賃金で重労働。心身のバランスを崩す人が他の業種に比べて多いと言われるけどそういう業界だと受け入れなきゃならないのかな?

ガラパゴス化する業界はいずれ衰退する

もちろん芸能界が少々特殊な業界だっていうのは理解できます。ただ清水さんに対する一連のバッシングを見ると世間とのズレがちょっと行きすぎているような感じを受けます。テレビ離れは色んな要因があるのでしょうけど、その一つに芸能人達の発言に今一つ共感できないという部分もあるのではないか。

もしも自分の子ども達が芸能界に入りたいと言ってきたら

たぶんそんなことは無いと思いますけど(笑)

でも本当にそんなこと言ってきたら反対しますね。たぶん。

20代前半の若い子が逃げ出すくらいの待遇を受けたのに、救いの手や気遣いの言葉をかけるでもなく「無責任」だの「恩知らず」だの「俺らの若い頃は」だの言いだして叩き潰そうとする世界がまともとは思えないからです。

単純に怖い、とかではなくそういう世間から隔絶された業界に発展性や未来はないなぁと思うから反対するのです。

もちろん全部が全部そういう事務所ではないでしょうし素晴らしい芸能人の方もいるでしょうけど。でも外部からは分からないしねぇ。

 

しかしそれでも憧れて芸能界に入ってくる子達は当分後を絶たないだろうし今回のように表立つことすらなく水面下でひっそりと痕跡を絶たれるケースもあるのだろうしやっぱり怖い。

 

ということで、今回も最後まで読んでくれたみなさんにエールを。

では。