Seipon2さんのこの記事が興味深かった。
というのも僕にとってもなかなかタイムリーな話題だからです。
僕の息子が最近アンパンマンにハマってて。第2次アンパンマンブーム。
最初の波はご多分に漏れず1~3歳くらいの間。歯ブラシや食器などの日用雑貨からおもちゃ、DVDに至るまで色んなグッズで溢れてました。それが3歳を少し過ぎたあたりから他のことに興味が移ってご無沙汰になりました。いわゆるアン卒です。(誰も言ってない)
それが5歳を迎えたこの春から急に復活したのです。
なんということでしょう。(匠か)
なんで今頃アン熱が復活したのか理由は分かりません。
懐かしくてハマってるのかな。昔の彼女に会ってまた気持ちが盛り上げるようなものか。絶対違うな。あれだ。幼児返りかな?
まぁそれはそれとしてあと1年もすればまたアン離れするのでしょうね。
で、タイムリーといえばちょうど僕がやなせたかしさんの本を読んだばかりというのもありまぁす。(小保方風に)
「わたしが正義について語るなら」(やなせたかし 2013年、ポプラ新書)
その冒頭に絵本「あんぱんまん」のあとがきが引用されています。それがやなせさんのヒーロー観のようです。少し長いですが引用します。
子どもたちとおんなじに、ぼくもスーパーマンや仮面ものが大好きなのですが、いつもふしぎにおもうのは、大格闘しても着るものが破れないし汚れない、だれのためにたたかっているのか、よくわからないということです。
ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです。そしてそういう捨身、献身の心なくしては正義は行えませんし、また、私たちが現在、ほんとうに困っていることといえば物価高や、公害、飢えということで、正義の超人はそのためにこそ、たたかわねばならないのです。
あんぱんまんは、やけこげだらけのボロボロの、こげ茶色のマントを着て、 ひっそりと、はずかしそうに登場します。自分を食べさせることによって、飢える人を救います。それでも顔は、気楽そうに笑っているのです。
絵本が書かれたのは1970年代で、今、僕たちが知っているアニメのきれいなアンパンマンとは少し趣が異なります。
実を言うと僕も少し前は子どもがアンパンマンを好きなのを若干醒めた目で見ていました。どの辺がおもしろいんだろう?と。
でもこの本を読んでだいぶ見方が変わりました。
やなせさんがアンパンマンを創った原点には戦争体験があったのですね。そこで強烈な飢えや、人は正義にも悪にもなりうること、弱者から真っ先に犠牲になることなどを体験として得て、自信が描く正義の味方は普通の人、弱い人、子どもを助けたり飢えないように顔を食べさせたりするようになったんだなと。
決して完璧な存在ではなく、結構弱い。濡れると力が出ないし。汚れに弱いし。それにアンパンチだってバイキンマンに致命傷を与えられない程度の弱い必殺技だし。次の周に何事もなかったようにバイキンマン登場するよね。他のキャラクターと協力しないとなかなか勝てなかったり。でも自分が正しいと思うことのためにたたかい、人々を助け、子どもたちが飢えないようにその身を削る。
なんだかアンパンマンは親みたいだね。
どこにでもいる普通の人でもそう願って行動すればアンパンマンになれる。そう言えば「アンパンマンは君さ~♪」って歌があったなぁ。
子どもはいつかアンパンマンを卒業する。それは間違いない。
その後は僕は子どもたちにアンパンマンを創った人の話をしてみようと思う。
悲惨な戦争体験とか、それ故の平和への思いとか、正義と悪についてとか。
それは子どもたちがある程度世の中のことが理解できるようになるもう少し未来の話だけど。
子供向けアニメを創った人や込められた思いを知ることで大人側の見方も変わるし、子どもに伝える材料も増えるんだなぁっていう話でした。