先日街なかを歩いていたときのこと。1歳くらいの赤ちゃんをベビーカーに乗せつつ3~4歳くらいの男の子の手を引いてるお母さんがいました。男の子は何が嫌だったのか激しく泣いています。お母さんは路上で立ち止まり何とかあやそうとするのですが、全然泣き止みません。子供二人連れて外出する大変さは経験上よくわかります。よくわかるんですが…
お母さんは「泣くのをやめなさい」の一言だけを冷静に何度も繰り返しています。まるでテープレコーダーのように。
「泣くのをやめなさい」
「泣くのをやめなさい」
「泣くのをやめなさい」
「泣くのをやめなさい」
「泣くのをやめなさい」…
僕は小さいころよく泣いていたので「泣き虫」とからかわれていました。
父親からも「男が泣いていいのは人生で3度だけ!」と謎の理論を叩き込まれました。
まだまだそういう時代だったんですね。男は男らしく、涙は見せないとかなんとか。
昭和的な。まぁうさぎ跳びがトレーニングとして有効だと思われていた時代ですから。運動中は水分取るなとか。そんな時代です。
で、40を前にした今はこう思います。
泣いたっていいじゃん。
楽しければ笑うし、ムカつけば怒るし、悲しければ泣く。それの何が問題なのか。男らしくとか女らしくだとか大人だからとか言う前に人間らしく生きていきたいよ。感情だけに身を任せて生きるのもどうかと思うけど、感情を抑圧して生きたって面白くない。
「泣くのをやめなさい」を聞いてて思い出したのは「花」です。
泣きな~さ~い~ 笑い~なさ~い のあれ。
男の子だって泣きたくて泣いてたわけじゃないと思うんですよね。それなりの理由があって。それが何なのか分からないけど。たぶんその時は泣くことが必要だったんだよ。その子にとっては。親からすると、こんなところでギャン泣きされても困るっていうのもわかるけど。親は「何で泣くの!?」ってとこだけど逆に子供からしたら「何で泣いたらいけんの!?」ってことでもあると思うんですよね。
あんまり抑圧しちゃうといつの日か咲くはずの花も咲かないようになってしまう。
そんなことを思いました。