次期首相になることがほど決定している菅義偉。どうやらかなり邪悪であり、同時にアホでもあるようだ。つまり邪悪な無能、ということで一言でいえば最悪。日本の夜明けは遠い。
菅義偉は内閣人事局の在り方を見直すつもりはないこと、政権の政策に反対する官僚は異動させると明言した。内閣人事局は各省庁の人事権を握っている。左遷や更迭を避けるため官僚は官邸の意向に逆らえなくなる。というより官邸に尻尾を振る忠実な下僕のみが出世できる仕組みとなってしまっている。憲法では国家公務員は全体の奉仕者であり、奉仕する対象は国民であるはずだ。それがいつしか国民ではなく首相など特定の人物に奉仕することが官僚の仕事であるかのように感じられる事態になっている。
官邸主導でスムーズに政策を進めるため、といえば聞こえはいいが結果として不正や悪事がはびこることになったので内閣人事局に関しては失敗であり、見直すのが妥当だろう。森友、加計学園、桜を見る会その他多くのことが起きた。検察庁定年延長問題もそうだ。これらの問題が起きるたびに国会で答弁する官僚たちのまるで国民などいない、官邸に仕えているかのような振る舞いを散々見せられ嫌な気分になった国民は多いはずだ。菅義偉はそれをまだ続ける、と言っているのである。呆れてものも言えない。
公文書改ざんや破棄が起きたのは内閣人事局による締め付けが原因であることは間違いない。官邸に嫌われたら官僚人生が終わる。そうして政治を私物化してきたのが安倍政権だ。特に後半は酷かった。これ以上ないくらいに酷かった。それがまだ続くというのだからもう地獄の態である。
そもそも政策に反対する官僚を異動させるとはどういうことだろうか。それが成立するのは政策が完全に、完璧に、疑いようもなく正しい場合のみだろう。しかし絶対的に正しい政策なんてあるのだろうか。政策でも経営でも遊びでも学習でもなんでもそうだが全ては仮説である。ある政策について様々な角度から検討して、正しいと思える場合に実行に移すことになると思うのだが、それでもそれは有力な仮説に過ぎない。仮説であれば当然反証の可能性を探らなければならない。そうでなければ科学的とは言えない。もしかして菅義偉は科学的ではないやり方で政策を推し進めるつもりなんだろうか。もしくはたとえ間違っていてもそれを認めることなく強行するのか。非常に危うい。
おそらく菅義偉は安倍政権下で官房長官を務めたことで改ざんや破棄、隠蔽のうま味を覚えたのだろう。仮に政策が失敗しても統計などの数字をいじったり、不都合な資料は破棄すればいい。あるいは適当な数字をでっち上げ“力強く言い切って”しまえば国民の多くは騙すことができる。そのような不誠実で非科学的な手法に慣れてしまっている。
それが端的に表れたのが消費税増税に関するグダグダなやり取りと、生活保護に関するウソである。時期首相が早くもウソやその場しのぎの誤魔化しで乗り切ろうとして失敗している。菅義偉は消費税について問われ「いずれまた増税しないといけない」と述べた。それを批判されると一変して「10年間は増税しなくていい」と主張を逆転させた。問題はここからである。記者会見で増税が不要な期間を「10年間」としたのはどういう根拠によるものかを問われた菅義偉は、質問に答えることは一切せずに全く意味不明な回答を行なった。経済成長が必要だ、アベノミクスを継承するなどと意味不明で抽象的なことを繰り返すだけでなぜ10年なのかについては一切答えられなかった。
しかし答えられないのも無理はない。おそらく菅義偉は何も考えずに適当に10年と言ったのだろう。その頃には自身は政界を引退しているかもしれないので答え合せをして責任を取る必要もない期間として10年くらい開けとけばいいやってな感じではないだろうか。今後10年で日本は経済を立て直せるのか、出生率を改善できるのか、社会保障は、福祉は、貿易はなど複雑な要素を経て消費税増税が必要なのか不要なのかの答えが出るはずなのに、なぜ無根拠に10年などと言ったのだろうか。つまり菅義偉は安倍晋三と同じくらいいい加減で不誠実で非科学的で頭が悪く、その場しのぎに平気で国民に嘘をつく人間だということである。
生活保護受給世帯がアベノミクスによって減った、と菅義偉は主張した。しかしこれが嘘であることが毎日新聞のファクトチェックによって暴かれた。もしかして菅義偉は生活保護受給世帯の数すらよく知らないのかもしれない。ただ雰囲気で減ったということを断言してしまえば、それで押し切れると考えてるのではないか。そうした手法は安倍晋三がよく行なってきたことだ。事実には興味がないのだろう。菅義偉にとって必要なのは事実ではなく、自分にとって都合の良い事実なのである。いかにアホで非科学的で全く信頼を置けない人物なのかがこのたった2点からもよくわかる。
こんな人間が行う政策が正しいと信じられる根拠は何もない。だからこそ反対意見を述べる官僚が国民のためには必要なのだ。しかしながら菅義偉はそうした官僚は排除すると言っている。権力は腐敗する、と言われる。菅義偉の場合は首相の座につく前にすでに腐敗していることは明らかである。しかしながらいまの制度では阻止することができない。だからこそ監視するため、これ以上暴走しないために反対する官僚が必要なのだ。その芽を摘んでしまうと宣言する菅義偉はとてつもなく無能で邪悪な存在である。
