ニュージーランドのアーダーン首相が現在妊娠中で6月に出産予定だと明かしました。
出産後は6週間の育休を取る予定を合わせて発表しています。
この決定はニュージランドではおおむね好意的に受け止められているようです。こういう話を聞くと日本との違いを大いに感じさせられます。日本では職業婦人が妊娠することで冷ややかな視線に晒されることもあります。鈴木貴子衆議院議員が妊娠を公表した際には、任期中に無責任だとのバッシングが一部でありました。
学校の先生の話もよく聞きますね。担任が年度の途中で妊娠すると一部の心ない親がやはり無責任だ、と非難することがあるようです。一般企業でも妊娠した社員が産休育休に入ると、同僚が「自分達にしわ寄せがくる」と感じることはまだまだあります。なんでしょうね、しわ寄せって。幸せじゃないのかよ、と思うのは僕だけでしょうか。似たような字でこんなにも違うのかと。
日本の労働環境では、まだ育休を取ることが「特別なこと」という認識が地方の中小零細企業を中心にあります。僕自身、経営者から「女性社員が妊娠したけど、クビにしてもいいのか」と聞かれたことがあり白目をむいたことがあります。また僕の妻が以前働いていた職場では、業歴が30年以上あるにもかかわらず、妻が育休を取る初めての社員でした。女性が大半を占める職場にもかかわらず、です。妻も妊娠当初「育休制度がないから(会社は今まで誰も取ったことがないことを育休制度がない、と言い換えていた節がある)退職しないといけないみたい」と相談され「んなわけないじゃんww」と答えのも今となってはいい思い出です。ちなみにその会社、従業員30人程度の規模で1年間で10〜12人が入れ替わってました。だいぶ問題があるように感じられますね。*1
育休を取ることは普通のことで、育休から復帰する女性、子育て中の女性はさまざまな経験を通じて出産以前より優れた人間性を獲得しているかもしれない、という仮説をなぜ考えないのかな、と思います。*2
悲しいのは男性がパパになったら「いい顔になったな」「最近責任感が出てきたな」とか褒められるのに、女性がそういった褒め言葉を社会に中でかけられることが圧倒的に少ないことです。まるで当然のように思われています。この間僕の友人が、奥さんが1日外出するので子どもを連れて児童館みたいな施設に遊びに連れて行ったら受付の女性に「いいパパですね」って言われたことを嘆いていました。「ええパパちゃうやん。普通のことしてるだけやん」ちょっとしたことで褒められるのは日本のパパはちょっと過保護なのかもしれませんね。
そんなことを考えていたら、電車内で出産した女性に対してSNS上で一部から心ない言葉が投げかけられている、という報道を見ました。「無事産まれて良かったね」で済む話じゃないのか。特に感想がなければ何も言わなければいいじゃないですか。そんな時にわざわざ間抜けヅラを晒してしゃしゃり出て来て一言言ってやろうというのはどんな根性なのでしょうか。僕なんかはそういう連中をみると「勝ったな」と思います。いやなんも勝負しとらんやないかって話ですが。
人の幸せを見てグジグジ言う人間にはなりたくない。
人の幸せを楽しめる人間でいたいと心底思います。