ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

傷ついた若者を政争の具にしたのは安倍首相自身だよ

日大アメフト部幹部の、学生に責任をなすりつける往生際の悪さを「社会の安倍化」の一つだと評されています。そうした主張を繰り返す立憲民主党の枝野氏や辻元氏に対して有本香氏が激しく怒っています。ちなみに有本香は熱心な安倍信者だそうです。教祖様を揶揄する連中はやはり許せないのでしょう。

 

有本香氏のツイッター

 

ただ、ほかならぬ教祖様自身が「傷ついた若者」を政治利用していた事実を有本香氏やその他の信者の皆さんはどう受け止めているのでしょうか。

 

当時電通で勤務していた高橋まつりさんが、入社1年目とは思えないほどの業務量と労働時間を課せられ自死してしまいました。過労自殺です。「KAROSHI」はそのまま国際語になるほど日本の労働の病理となっています。

 

そこで安倍首相は2017年2月21日に高橋まつりさんの遺族と面会し、長時間労働の是正を「なんとしてでもやりますよ」と宣言していました。その結果はどうなったでしょう。残業時間を再現なくさせることができる「高度プロフェッショナル制度」を強行採決しています。長時間労働の是正などはなからやる気はないのでしょう。要は世間的に関心の高かった高橋まつりさんの遺族に会えば「優しくて国民の味方」というイメージを演出できるから会っていたに過ぎないのではないでしょうか。実際「高プロ」がその法案の元となるデータに不備が見つかっても押し切るあたりに本音は見えています。しかも委員会には過労死遺族が傍聴に訪れており、安倍首相との面会を求めているにもかかわらず「加藤厚労省の方が詳しいから」と言って全く会おうともしません。はっきり言って会いたくないのでしょう。もっと言えば「会う価値がない」とすら考えているのかもしれませんね。

 

率直に言って安倍首相が過労死遺族に会わない理由がわかりません。

たとえ詳しくなくても国民の声を聞くことはできるはずです。その上で「担当大臣に私から伝えておく」ということはできるのではないでしょうか。

財界トップとは気軽に会い、話も聞くのに。財界人との会食こそ経産省とか国交省とか担当省庁の大臣に任せればいいのでは?

 

自分のイメージアップのために過労自殺した若者を使い、その一方さらに過労死を誘発しかねない法案をゴリ押しする。そして過労死遺族に向き合う姿勢を見せず逃げ回る。

有本香氏は、このように都合のいい時だけ傷ついた若者を政治利用して、用が済んだら切り捨てる冷酷な安倍首相こそ下衆だとは思わないんですかね?僕は下衆中の下衆だと思います。

 

安倍信者の人たちは、安倍首相について行けば自分もいい思いをすることができると考えているのかもしれません。しかし安倍首相にとって本当に重要なお友達にでもならない限り全ては自分の都合が悪くなったときは切り捨ての対象でしかないんだよなぁ。加計孝太郎氏は安倍首相の腹心の友かもしれません。しかし加計学園のいち担当者は安倍首相の友達でもなんでもありません。だから切り捨てる。今井秘書官はお友達だけど佐川氏は友達ではない。加計孝太郎氏は友達だけれど籠池氏は友達じゃない。

 

有本香氏が安倍首相のお友達を自認しているのであれば、過労死遺族に面会し、当事者は高プロについてどう思っているか聞いて見るように進言してはいかがでしょうか。

他者を下衆だなんだとdisるのはそれからにしませんか。