安倍政権の御用新聞(出先機関)の一つである産経新聞が加戸守行・前愛媛県知事のインタビューを掲載しています。
インタビューの狙いは加計学園問題について安倍首相の責任はない、というか責任は民主党(現民進党)にあるということを熱心な読者(信者)に伝えたいというところでしょう。
加戸氏は民主党政権下で獣医学部設置が「速やかに検討」に方針転換されたことを引き合いに
「民主党政権があと2年続いていたら実現していた」
と語っている。これはつまり安倍首相が「心の友」をごり押ししたわけではない、元はと言えば民主党がやりだしたことだろうと主張したいのだと思われます。
うん。さすがに無理がないか?
前提として民主党政権が「あと2年続いてたら」という仮定の話を持ってくるのはいくら何でもさすがに筋が悪すぎる。
仮定の話をしていいのならどんな風にも話を持っていけるでしょうね。
民主党政権は確かに大概だったけど、だからと言って仮定の「あと2年」を持ち出して事の発端は民主党、というのは無茶が過ぎる。
さらにこんなことも言ってます。
獣医学部の定員は神奈川県以東が8割、岐阜県以西は2割。こんな規制が医学部にあったら暴動が起きる
だから、医学部関係ないよね?
どうして全然関係のないものを持ち出して〇〇が××だったら△△だ!と言えるのでしょうか?
医学部には医学部の、獣医学部には獣医学部の事情があるでしょう。
なぜ同列に語れると思ったのかよくわかりません。
最後に一番驚いたのがこの部分でした。
加戸氏はもともと旧文部省の官僚だったのですね。その上で官僚の姿勢を説いています。
役人は大臣、政治に仕えるべきだ。(前川氏は)則(のり)を超えてしまったのか。岩盤規制を取っ払って、定員規制を外すことは行政をゆがめたことにはならない
合わせて国家公務員倫理規程を貼っておきます。国家公務員倫理規定というのは公務員が利害関係者との癒着が多発したことから(ノーパンしゃぶしゃぶとか)定められたものですが、公務員が誰に奉仕するものかを明示しています。
第一条 職員(国家公務員倫理法 (以下「法」という。)第二条第一項 に規定する職員をいう。以下同じ。)は、国家公務員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚し、第一号から第三号までに掲げる法第三条 の倫理原則とともに第四号 及び第五号 に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。
加戸氏は役人は大臣、政治家に仕えるべきだと言ってます。
国家公務員倫理規程では役人は国民全体に仕えるべきだと言ってます。
さて、どちらが正しいのでしょうか?