ボクシングの山中慎介が具志堅用高に並ぶ国内最多の13回連続防衛を賭けて臨んだ世界戦でまさかの敗北。4回タオル投入によるTKOということだけど、このタオル投入の是非がかなり論じられてますね。
僕もテレビで見てたけど呆然とした。マジかよ、と。でもスポーツってこういうものですよね。
山中選手は前の回くらいからパンチをもらうことがあってこの4回も結構一方的にやられててそのあたりをトレーナーは危険と判断したのでしょう。でもこの判断が独断だったとして結構非難を浴びてます。僕はボクシングのド素人なので分からないんだけどなんかスケープゴートにされてるみたいで可哀想だと感じます。
山中選手は過去の防衛戦でもダウンを奪われてからの逆転勝ちというのも一度ならずある。それをもってまだこれから、むしろここからが山中選手の本領なのに…という論調もありますが今までと今回を同じ基準で考えるに足る根拠ってなんなんでしょう。対戦相手も会場もコンディションも全て違うのだから過去の実績は参考になってもそれをもとにすべての判断を下す方が危険ではないでしょうか。
セコンドが暴走した、と書いてる記事もありましたが外部の人間がなぜ「暴走」と断定できるのでしょうか。確かにジム内ではタオル投入はトレーナーが独断でしない、必ず会長などに確認する、というようになっていたそうですが本当に危険だと感じた時に上に判断を仰いでいたら間に合わないので現場で判断することもあるでしょう。福島の原発事故の時はそうではなかったでしょうか。そしてあの時の吉田所長はたしか賞賛されていたと記憶しています。
しかもほとんどは結果論で報じています。実際にあの場で、選手を預かる立場であればまた違った景色が見えていたのでは、と思います。その場での判断が本当に正しかったかどうかなんて終わった後でしかわかりません。僕はボクシングについてはド素人ですがギリギリの決断をすることの厳しさについてなら多少は分かります。それが成功であれ失敗であれなにがしかの決断をする勇気を持った人間を安易に責める気には到底なれません。
確かに山中選手自身はまだやれた、ダメージは無かったと言ってますがTVゲームのように体力ゲージが表示されるわけではないですからね。トレーナーだって本当はタオルなんて投げたくないでしょう。タオルを投げ入れることで自分が試合を終わらせることへの恐怖はあると思います。でもそれ以上に選手が致命的なダメージを負うんじゃないかということが怖かった。それは仕方のない事だと思います。実際試合中の事故で亡くなる選手だっているわけだし。その後の人生だってあるんだし。
結局のところ13回連続防衛という偉業に失敗した以上だれかしらスケープゴートが必要だったのでしょう。
でもあれは挑戦者が強かったといういことではないのかな。その点を称賛する記事が埋もれてしまってほとんど見当たらないのは残念だと思う。
その辺りが日本のスポーツマスコミの限界なんじゃないだろうか。
以上、おわり