ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

地震とデマ

東北で震度6規模の大きな地震があったそうだ。現地の人たちが無事でありますように。

 

さて、地震が起きると雨後の筍のように現れるのがデマだ。筍は非常に美味しい。いろいろな利用方法がある。しかしデマはいただけない。

 

なぜデマを流すのか?まず考えられるのは承認欲求。世の中には情報を精査せずに、流れてきたもの目についたものをそのまま信じる人が一定数いる。そういう人たちから注目される快感を得たいという動機。

 

承認欲求は誰にでもあるもので、それ自体が悪いことだとは思わない。承認欲求があることで「人から認められたい、人に認めさせたい」と考えるのはおかしなことではない。それがモチベーションに繋がることがあるのは誰しも理解できることである。

 

問題は承認欲求をどのようにして得るか、だ。

 

嘘をついて満たされようというのははっきりいってさもしい考えである。

 

偽りで築いた地位などなんの意味もないものであるが、デマを飛ばす当人はそうしたことに気がつかない。いいね!をされて自分が人気者になったと勘違いをする。その人気が持続するものだと思い込みさらに嘘を重ねる。よくあるパターンだ。

 

あるいはいわゆる「釣り行為」というのもある。これは釣られた人たちを見て「釣ってやった!自分は賢い!」という歪んだ承認欲求の表れだ。

 

本来、承認欲求というのは自己の成長のための要因となるものだが、こうしたネットでデマを飛ばして得られる承認欲求というのは自己を成長させるどころか大きく退化させるものだろう。

 

嘘で得られる快感なんていうのは長続きしないので、延々と嘘をつき続けなくてはならない。そうなるともう自分でも嘘と現実の区別がつかなくなるのである。

 

よく嘘つきは泥棒の始まりなんていうが、現代では嘘つきは廃人の始まりとも言えるものだ。

 

地震の時のデマで僕が最も悪質だと感じるのが、ヘイトスピーチだ。

 

今回の東北の地震でも「朝鮮人が井戸に毒を投げていた!」という類の極めて悪質なデマをSNSで発信している人間が複数いる。

 

いうまでもなくこれは関東大震災の時に無実の人々の虐殺につながった話である。

 

ネット上のネタ気分でやっているとしたらあまりにもバカすぎて話にならないし、災害にかこつけて自分の差別心を満たそうというのであればもっと最悪だ。

 

熊本地震の時に動物園からライオンが逃げ出した、というデマを飛ばした人間は逮捕された。ふざけ半分でやったらしいが法の前ではそんなことは関係ない。この事件は最終的に不起訴になったそうであるが、不起訴だから問題ないというわけではない。

 

いま地震に乗じてデマを流している人間は覚悟したほうがいい。天網恢恢疎にして漏らさずである。特に現在はネット上のデマに人々も憤り、過敏になってきている。

 

デマに溺れる者はいずれ手酷いしっぺ返しがやってくるだろう。