ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

限りなく不透明に近いブルー

東京の上空をブルーインパルスが飛んだ。医療従事者への感謝を込めたフライトだそうだ。もはやかける言葉もないくらい政権は無礼で無軌道で無残な無能さを晒している。

河野太郎という稀代の変節漢

僕は河野太郎という人間は正真正銘のカスだと思っている。もともとは自民党の中でもしがらみを持たず言うべきことは言うぜ的なキャラクターだった印象だ。結構脱原発とか自民党のそれまでの方針と対立するようなこともはっきり言っていた。

 

それが大臣になった途端に宗旨替えした。いや宗旨替えなんてもんじゃない。それまでの河野太郎ver.1は消滅し、まったく別の河野太郎type−Rが出現した、そんな感じだ。同じメーカーのコンセプトが異なる別製品。それも値上げの上性能は劣化。メーカーの信者だけが購入を検討する。一般的な商品・サービスとしては上がり。これ以上改良されることはない。

 

しかし無役の時のズケズケものを言うキャラなはんだったのだろう。表の顔は見せかけで裏では猟官活動をしていたのか。あるいはポストと引き換えに首輪をつけられたのか。

 

いずれにしろまったく逆の主張をしだすあたり、河野太郎には政治家としての譲れない信念などないのだろう。外務大臣時代は専用機を欲しがるなど特権意識丸出しのケチ臭い根性を露わにしていた。あれが本性なんだろうか?

プロセスはどうでもいいと言い放つ国務大臣

ブルーインパルスを飛ばすことは誰が発案したのか、と記者から問われたが「プロセスはどうでもいい」と嘯いた。いやマジかこのおっさん。

 

いま河野太郎を飼っているのは安倍晋三だが、この稀代のすっとこどっこいとして歴史の教科書に名を残すであろう憲政史上最悪の宰相はかつて「政治は結果だ」と言った(しかし安倍が社会を良くするための政治上の何かの結果を出すのを見たことはないが)。

 

機械のようにルーチンで働く単純作業系労働者や、フルコミッションでとにかく売上だけが存在理由という営業マンならプロセスを無視してもさほど影響はないだろう。結果が大事。不良品を失くせ、利益をあげろ。

 

しかし国務大臣だぞ。結果も大事だし、プロセスも重要だ。両立が求められるんでないのか?当たり前の話だがプロセスと結果はどちらか一つしか選択できないわけではない。当たり前のように両立させる努力が必要だ。国務大臣のようにその決断や行動が国民生活に直結するような重責を負う要職にあればなおさらだ。

 

いったいどういうつもりで河野太郎は「プロセスはどうでもいい」と言ったのだろうか。ブルーインパルスは自衛隊所属のチームだ。彼らが飛ぶとなれば当然それは税金で賄われる。河野太郎は税金の使い途がよく検討された、必要不可欠なものかどうかを国民が知る必要はないと言っているのだ。いやマジでわけわかんねー。

 

(追記)

と思ったら河野太郎は自身のブログで「私が指示した」と明かした。じゃあ記者会見で問われた時にはぐらかしたのはなんでやねん。

感謝の押し売り

それにしてもブルーインパルスを飛ばすことが医療従事者への感謝の表明になるとはどういうことなのだろうか。誰目線のサービスなのだろうか。

 

別にブルーインパルスが悪いと言ってるわけじゃない。だがブルーインパルスを飛ばすというのは数ある医療従事者への支援策の中の最後の最後の最後の最後に選択されるものじゃないのだろうか。あれば嬉しいけどなくても別にいいもの。

 

なぜこれが他のもっと現実的で、医療従事者を助ける施策よりも優先して行われなければならないのか。そのことを僕ら国民は知る必要がある。それなのに。プロセスはどうでもいいときたもんだ。ずいぶんな話じゃないか。

 

最悪なのはブルーインパルスというのは医療従事者がこの施策に否定的なことを言えない空気を作ってしまうことだ。ブルーインパルスは自衛隊所属だ。もろ軍隊に直結する。国威発揚のための勇ましいプロパガンダと軍は相性がいい。唐揚げとビールのように。

 

もしも疲弊しきった医療従事者が「ブルーインパルスなんていらない。休息と平和な日常が欲しい」とでも言おうものなら愛国者達が発症するに違いない。「非国民!せっかくブルーインパルスが飛んでくださってるのに!不敬なり!感謝しろ!」いやマジで不気味だな。怪談噺にゃまだ早い。

 

断ると多方面から気が狂った弾が飛んでくるので嘘でも感謝せざるを得ない。そんな空気を作っているのだ。本当にタチが悪い。もう一度言うが、ブルーインパルスを飛ばすこと自体はまあ別に良い。でもそれはタイミング的にいまじゃない。もっと他に医療従事者に対してより具体的で効果的な支援をしてからの話だ。まだまだ感染拡大に関して予断を許さない状況でやることではない。

不透明で不健全で不思議な国ニッポン

これだけ未曾有の厄災に見舞われているというのに、火事場泥棒的に税金を私物化しようとする人間がいることに驚く。

 

ブルーインパルスを飛ばしたプロセスが不透明なら、持続化給付金の事務処理委託も不透明だ。安倍のマスクの仕入れ先も不透明だし黒川弘務氏の処分の経緯も不透明。専門家会議の記録も不透明。不透明のグランドスラム。かつて日本一汚いといわれていたらしい大和川よりも汚い。

 

安倍政権の近年の動向は徹頭徹尾不透明で不健全なのである。

 

大臣人事なんかを見てもよくわかる。ITから最も遠いところで生息しているかのような竹本IT担当大臣。北村地方創生大臣は国会でまともに質問に答えることもできない哀れなおじいちゃん。とても適材適所とは呼べない。彼らを任命したプロセスはどうなっているんだろうか。日本史上屈指の混乱した時代である南北朝時代よりひどいかもしれない。

 

もちろんその責任の一端は我々国民にもある。選挙に行かず面倒なことから思考停止して逃げてきたのだから。その結果がこのザマだ。

 

しかし悲観してばかりでも仕方がない。もういい加減こんなデタラメな国の運営に頭に来てる人たちは増えてきている。検察庁法の改正もそうだし、何より最近報じられている持続化給付金のピンハネはかなり「普通の国民」の逆鱗に触れるのではないか。訳のわからないうちに何百億円もの大金が、誰かの懐に消える訳である。

 

僕は、家族やお客さんのために働くのは嬉しいことだと思うけど、どこかの誰かもわからない利権屋を儲けさせるために働いて税金を納めるなんて嫌だね。本当に嫌だ。