ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

もう保育園は義務教育化するしかないんじゃない?

このところ教育に関する不適切な施設運営のニュースが後を絶たない感じです。この国は末期症状かよ、とさえ思ってしまいます。

こんにちはジンジャーです。

 

 

園児を食い物にする経営者

兵庫県は姫路市にある私立認定保育園「わんずまざー保育園」が不適切な保育をしていたということが明るみになりました。

本来の定員の約1.5倍の園児を預かっていたそうです。発覚を避けるためなのか単に経費をケチったのかはわかりませんが本来の定員程度の給食しか発注せずそれを分けていたそうです。1歳児にはスプーン1杯程度の食事しか与えられなかったということで驚き呆れます。また余った分を冷凍保存しひどい時は1ヶ月近く立ったものを“再利用”していたとか。

直接契約とかフリーランスかよ

定員オーバーで密かに預かっている園児に対しては親と直接契約して2~4万円の保育料を取っていたようですね。通常認可保育園の場合保育料は親の収入により市区町村で決定されます。待機児童問題は深刻です。どうしても保育園に預けなければならない親の状況につけ込んだ感が満載です。

給付金搾取の疑惑

園児の人数に対して一定以上の保育士を配置しなければならないのですが「わんずまざー保育園」はここでも詐欺を働いています。架空の保育士を3人計上し水増しで請求し給付金を騙し取っていたというのです。しかも同じ敷地内で運営する学童保育の小学生の送迎を保育士にさせたり夜間のベビーシッターを行わせていたりとやりたい放題。こんな感じだから長時間労働・低賃金でこき使っていたのではないでしょうか。

周りは全て搾取の対象か

園児の親、行政、保育士ーーー

「わんずまざー保育園」にとって保育園に関わるこれらの人々は自分たちを潤すための搾取の対象でしかなかったのでしょうね。

実態を隠すために市への報告書なども改竄していたそうです。

もうね、たまたまとかじゃなく最初から騙す気満々ですよ。ただの犯罪施設。

認定とか認可外とかの問題じゃない

保育園の園長は神戸新聞の取材に対しこう答えています。

「(認定を受ける前の)認可外保育所だった時代の感覚で運営していた。プールしたお金は遊具購入などで園児に還元するつもりだった。認定こども園としての自覚が足りなかった」と謝罪した。

 これを聞いて「うん。そうだよな。認定と認可外は違うもんな」と人々が思ってくれると考えてるのでしょうか。まさか。そんなアホな。認定子ども園としての自覚ってなんだよって話です。この論に従えば認定外ならこういうことをしてもいいというのでしょうか。

預かる園児に対して満足に食事も与えないというのは認定とか認可外とを問わずそもそも子供を預かる資格がない。

働きたいけど預ける場所がなく苦悩している親につけこみ、子供に対しては経費削減を押し付けて食事を満足に与えない。発覚しないように役所への提出書類は改ざんし、保育士は本来業務以外のことを押し付け酷使する。

the 金の亡者。

なぜこのような園が認可を受けられるのか

本来であればこのような施設が認可を受けてはいけなかったのです。しかしながら書類がきちんと整っていれば行政も受けざるを得ない面があります。もっと初期の調査をしっかりする方法を今後考えていただきたいとは思いますが。一方で待機児童の問題もあり認可保育園を増やす必要にも迫られています。その辺りの葛藤があると思います。また職場復帰に向けて焦る親からすれば認可保育園なのに直接契約を持ちかけられるなんて「なんかおかしくない?」と感じたでしょうけど切羽詰まった状況で藁にもすがる思いだったのかもしれません。気持ちはわかります。

そこにつけ込む金の亡者こそ糾弾されるべき存在です。

保育園(幼稚園)を義務保育化しよう

そして待機児童の問題は一朝一夕には解決しません。施設不足。場所不足。保育士不足。予算不足。育休期間の延長やそもそも未だに育休を取ることを良しとしない一部の企業の価値観。これらのことが複雑に絡み合っています。

だからこそ、今後も「わんずまざー保育園」のような悪徳事業者が“子供ビジネス”は金になるとわんさと参入してくる懸念があります。というかもう参入してるのか。

子どもを守れ

待機児童を解消し、悪徳事業者の参入を阻むのであれば最も有効な手段は保育園(幼稚園)を義務保育化することです。

今待機児童が何万人もいるのに小学校に上がった途端待機児童がいなくなるのは単純な話、小学校が義務教育だからです。国が教育を受ける権利を保障しているのだから小学校に入れなくて待機児童となる小学生はいません。保育園を義務保育化すれば待機児童はいなくなります。

潜在保育士を呼び戻そう

保育士の給与水準だって上がるでしょう。今でも公立の保育園と私立の保育園では待遇面で差があります。だいたいにおいては公立の方が良い。もっとも好待遇の私立もあるのでしょうけど。

待機児童が解消されれば親も職場復帰断念ということはなくなり「一億総活躍」に近づくでしょう。そうなれば経済も消費も税収も上がるんじゃないの?

財源はつくればいい

財源の問題はあります。

しかしやる前から財源がないから無理、というのは少し違うと思います。無駄な工事とかなくしましょう。ちょうど今、年度末で日本全国のあちこちで道路工事が行われています。

不要不急のやつ、絶対あるよね?

僕らの普段の生活でもそうでしょう。「お金がない」というのをやらないことの理由にするため錦の御旗のように唱える人いるじゃないですか。

なかったら創れ。あるいはなくてもできる方法を考えろ。ってことじゃないでしょうか。

すべての国民には教育を受ける権利がある 

あと義務保育だと何歳からにするの?ってなりますが。

そこは各家庭の事情に合わせて柔軟な対応でいいんじゃないでしょうか。

例えば子どもが1歳になったら職場復帰したい親にとっては1歳から。

少し余裕を見て3歳になったら働き出したい人にとっては3歳から。

いやいやすぐにでも働かなきゃいけない、生後3か月から預けたい、という人はその時から。

もちろん私立に預けたい人にはそういう選択肢があってよい。

要は国や市区町村が少なくとも未就学児を全て受け入れられるだけの施設数をキチンと準備しておきなさいよ、という話です。

経済大国にして教育貧国、日本

いくら世界有数の経済大国だといってもさ、こんなひどい教育現場は発展途上国以下だと思うんだよね。

かたや園児に人種差別を推奨したり特定の政治家の名前を叫ばせる。かたや園児に満足な食事も与えず行政も欺いて税金を食い物にする。

こんな経済大国ある?

 

今回の「わんずまざー保育園」事件(そう、事件だ)。

子どもをダシにして一儲けしようという不届きな施設がたまたまあった、という話で終わらせてはいけない。教育や育児面でいかに日本が後進国か、そこに付け込んだ話だと思う。ついでに言えば儲けさえすれば何でもいいという安易な拝金主義がいかに根付いているかの話でもある。

根本から解決する方法を国はちゃんと考えて欲しい。

子どもたちのために。