ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

ネットのデマ、釣りに簡単に引っかかるような人は仕事ができない。

こんにちはジンジャーです。

 

都営バスで老婆が幼児に嫌味を言ったら鮮やかに切り返された、というお話がツイッターで話題になった。流れとしてはこんな感じです。

都営バスにて

婆:お年寄りには席を譲ろうって習わなかった?
幼児:習わなかった…

(見かねたOLが婆さんに席を譲る)

幼児:人から親切にされたらありがとって言うって習わなかった?
婆:………。
車内一同:………。

嫌味がましい年寄りに譲る席はねー😝…って皆が思ったろうな💧 

 

っていう話。「老害ざまぁwww」「幼児ナイス!」な感じでずいぶん拡散したそうだ。

ま、たしかに老害というのはいる。それは否定しないです。

だけどこのツイッターでやっぱ年寄りは老害だ!と盛り上がってる人達に聞きたい。

 

この話、ホント―ですか?

と。

僕にはこの話はどうも創作に見えるんです。

 

まず幼児っていうのは何歳くらいだろう。だいたい小学生くらいになると「児童」の方がしっくりくる。となると未就学児だ。なおかつ喋れるということは3~6歳か。もう少し絞ろう。ただ単に言葉を発するだけではない。かなりきちんとした会話が成立している。3~4歳ではちょっと難しいと思う。特に見知らぬ大人相手では。となると5~6歳か。

年齢はだいたいこんなものか。

 

次に気になるのがこの幼児は一人だったのか、ということだ。

この話には幼児の親が出てこない。もし一緒にバスに乗っていたのであれば当然登場するはずだ。「ウチの子に何てこと言うの!」とか「すみません…」だの。それがないということはこの幼児(推定5~6歳)は一人でバスに乗っていたことになる。

このツイートは3月29日につぶやかれている。ということは当日かその少し前に起きた出来事だろうと推測する。あまりに前の出来事なんてそもそもツイッターでわざわざつぶやかないだろう。

3月末に幼児(推定5~6歳)が一人でバスに乗るものなのだろうか?何のために?幼稚園生なら春休みだから動き回ってるのも分かるが。事が起きた時間帯が当該ツイートには書かれてないから何とも言えないがやはり5~6歳の幼児が一人でバスに乗って移動、というのは少々違和感がある。

だいたい婆が席を譲れというくらいだから満席なのだろう。となると朝夕の通勤時間帯か。そんな時間に幼児がなぜにバス一人旅…?設定に無理がないだろうか。

 

つぎにOLだ。なぜOL。ツイート主はなぜ席を譲ったのがOLとわかったのだろうか。スーツでも着てたのか。それなら就活生の可能性もある。それともOL風の格好をしてたのだろうか。しかし最近は女子大生なのか、OLなのかはたまたフリーランサーなのか格好だけで判別しかねることも多い。なのになぜOLなのか。例えば幼児や婆については「幼児」「婆」としか書かれてないため幼児とは何歳くらいなのかというところから考察しないといけないような書き方だ。ぼんやりとしている。なのに席を譲ることを申し出た女性についてははっきりとOLと断言している。なぜなのか。

 

さらに登場人物の描き方も違和感を感じる。「幼児」や「婆」など年齢とリンクした記述であるがOLについては例えば「若い女性」とか「中年の女性」などではなく単にOLと記されている。普通文章を書くときの人物の描写にはある程度一貫性や整合性が出るものではないだろうか。年齢とリンクした書き方なら全員その書き方をする。職業を定させるなら全員の職業を、というように。わざわざ「O」と「L」をチョイスするだろうか、と考えてしまいます。

 

おそらくツイート主は

幼児=善、純粋

婆=悪、老害

と描きたかったのだろう。そうするとそれぞれを対比するものとして年齢的な表現をすることでその違いを強調したかったのではないか。

そこにOL。ここで「親切」をするのが若いOLとか年配のOLだと年齢による善悪が薄まる。たまたまその婆がいけ好かないヤツ、という話になるからだ。だから単に「OL」とだけ表記したのではないか。

 

不思議なのは最後に幼児が「人から親切にされたらありがとって言うって習わなかった?」と言ったことだ。

つまり、この幼児は「席を譲ること」=「親切にすること」という認識があるのだ。そうすると「人から親切にされたらありがとって言うって習わなかった?」の問いかけは幼児の純粋性から来る素朴な疑問ではなくなる。明らかに冒頭の自分に対する婆のセリフに対しての皮肉の意図があるという文脈になる。

 

この幼児をまとめてみよう。

  • 席を譲れと言われても「習ってない」の一点張りで譲らない
  • 席を譲る行為が「いいこと」だとの認識はある
  • 他の人が「いいこと」をしたのに便乗して婆に皮肉

こんな5~6歳の子どもがいるのだろうか?

僕は思う。

本当にこんなガキがいたら気持ち悪いわ!

明らかに❝大人の❞視点による言動だ。全然幼児としてのリアリティがない。

始めから終わりまで(考察したような矛盾点、違和感はおいといて)妙に話がまとまり過ぎている。どうも創作にしか見えない。

 

ツイート主がどのような意図でこの様なおもしろくもない、ありふれた創作をしたのかは分からないしハッキリ言ってそこはどうでもいい。

問題は、このようなウソやデマをろくに検証もせずに真実と思い込んで「そうだ!そうだ!」と乗っかって騒ぐ人たちである。

断言しておくが、このように疑問を抱かず、検証精神のかけらもない連中は間違いなく仕事ができない。

試しにこの手の連中にプレゼンさせてみたらいい。事実誤認や自分に都合のいいデータばかり並べた奇怪な資料をつくるから。あるいは役所などに提出する公的な書類作成。経理なら決算資料。人事総務なら社保や労働保険の手続き。絶対作りっぱなしで再チェックなんてしない。しかも腹立つのが間違いを指摘したら「え?そうなの?本当に?」みたいな反応をするんです。なんか制度替わったの?そのせいで間違えちゃった?みたいな。メチャクチャ初歩的な間違いをしてるくせに、高度なレベルでの間違いをしたかのような振る舞いをするのは何なの?

 

「嘘を嘘と見抜けないと(ry 」というのはよく知られた話ですが、要は疑問を抱けって話なんですよ。

新社会人のみなさんも、今はメンターの言うことに「ハイ、ハイ」と頷いている時期だと思いますができるだけ早期に「ん?それホント―なの?」と疑問を持つ癖を身に付けた方がいいですよ。もっとも自分で検証もせずにただ単に思い付きで疑問を発するのは超めんどくさいヤツに認定されるのでNG。自分で一度「根拠を確認する」ことが必須です。

 

今回はネットのデマ、釣りに簡単に引っかかるような人は仕事ができないという話でした。

ではまたね!