ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

カラスの勝手でしょ

カラスなぜ泣くの カラスの勝手でしょ

懐かしい。ドリフで志村けんが言ってたのかなぁ。僕はまだ未就学児だったので記憶があいまいですが。あの当時はただ単に笑える替え歌だったのが、いまや笑えなくなりました。

 

自民党の二階俊博幹事長が「最近では子どもを産まない方が幸せだという、勝手な人が増えている」と発言しました。自民党の幹事長といったらチョー偉い人やん。そんな人が国民の生き方について介入することの怖さ。産もうが産むまいが、そんなのはその人の人生の選択です。周りが、ましてや権力者が言うことではありません。だいたいそんなこと言うなら公文書を改ざんしたり、ありもしない首相との面会をでっちあげてまで許認可を得ようとするのはそっちの方が勝手ではないでしょうか。まー首相との面会を一企業の一担当者がでっちあげたという話を信じている人はいないでしょうけど。

 

基準となる価値観があって、そこから外れている人は「身勝手」のレッテルを貼られる。道徳の教科化もそうだけどここのところ国は国民の心や頭の中にまで手を伸ばそうとすることを隠さないようになってきていることに危機感を覚えます。だいたい子どもを産まない幸せがあるというのは勝手だというなら自分たちのボスの安倍首相はどうなんだ。こうした発言をしたことで安倍首相と二階幹事長の中が気まずくなろうが気まずくならなかろうがどうでもいいです。しかし二階幹事長の「勝手」発言に 傷つけられた人は間違いなくいるでしょう。

 

たとえば職場でのこと。自分の仕事はとりあえず終わりました。同僚は仕事が片付いてないらしく「今日は残業だよ~」と言っています。それを横目に変える準備をする自分。すると上司が「おいおい。最近の若手はこれだから。まだみんな仕事してるんだから手伝ったらどうだ?なに、自分の時間の方が大事?趣味の時間が幸せ?ホント勝手なやつが増えたな~」

 

どうでしょう?

リアルでこんなこと言ったら炎上確実ですね。

でも二階幹事長が言ってるのはこういうことです。

こうなってくると政府が掲げる働き方改革、特に高プロは怪しい。

高プロについてその制度の意義を、賃金を時間ではなく成果ではかることとしています。

しかし二階幹事長的なモノの見方をするならば、成果を出してさっさと帰ろうとする社員を「勝手」な存在だということになります。しなくてもいい残業をすることを評価するということは取りも直さず成果ではなく時間でその人の業務を評価するということです。

高プロ導入にあたって賛成派が表向き主張していることと正反対の感覚を隠し持っていることがよくわかります。そしてそれをあまり隠す気がなくなってきているんじゃないかという気もします。

それは先日の東京新聞での竹中平蔵氏の主張にも見られます。

竹中平蔵氏は残業代を補助金と呼び、残業代をもらっている労働者を一律に「生産性の低い人たち」とレッテルを貼っていました。

二階幹事長の主張と似てますね。子どもを産まないのを「勝手な人」だと言ってますが、貧困とか不妊とか、そういった問題からは一切目を背けてます。なんせ日本はいまご飯が食べられないいとなんていないとまで言ってるようだからね!

そりゃあ二階幹事長の周りの人はそうでしょうよ。利権にありついてさ。美味しい思いして。あと2世3世多いからね。先祖代々の遺産があるわけで。

でも世の中にはそうでない人がいっぱいいるのよね。

 

 よほど現体制の維持に自信があるのでしょうか。

もはや全体主義を隠すこともなくなってきた自民党のお偉いさん。

ワールドカップで浮かれたい気持ちもあるが、浮かれてばかりもいられない。