ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

保育園開設断念について思うこと

残念なニュースだ。

 

<私立保育園>「子供の声うるさい」開園断念 千葉・市川 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

ほんとうに残念な気持ちだ。

 

確かに保育園などの施設ができることで周辺地域と軋轢が生まれることは予想できる。子供の声がうるさいとか、送迎の車とのトラブル(主に路駐)とか。懸念を抱き反対したい気持ちを全力で否定するつもりはない。

実際子供の騒ぐ声ってそれがたとえ自分の子どもの声であってもキツイ時がある。ましてや知らない子の何十人もの声を日常的に、となると静かな日常を送れなくなると危惧するのも仕方ない。

 

そんな中現在の報道の論調は賛成派寄りな気がする。各種SNSなどネット上の意見も賛成派の方が数が多そうである。もちろん僕も建設賛成だ。仮に自分の家の隣にできたとしても問題ない。それぐらい待機児童は社会的に早期に解決が必要な課題でもある。

 

ただ、一方的に反対派を断罪するつもりもない。

人には人の人生がありそれ自体は尊重されるべきだからだ。

 

今保育士不足が問題になっている。主に待遇の低さに起因するものだ。

そこで国が主導して保育士の待遇を上げることで潜在保育士を掘り起こす。そんな動きがある。

同じように保育施設建設でも国や地方自治体が積極的にリードする方策は無いのだろうか。

例えば騒音が気になるのなら周辺何メートルの家屋まで防音設備の設置のために定額の補助金を出すとか。地価の公示価格はそのままで固定資産税の特別控除を設けるとか。保育施設があることで周辺地域の防犯意識が高まって犯罪が減るかもしれない。そんな研究結果はないんだろうか。

やはり保育施設が建設されることで周辺地域に何らかのインセンティブが得られるとなれば反対派も説得しやすくなるだろう。ホントはインセンティブなどなくても皆が納得するような社会になればいいんだけど。

もちろん国や地方自治体がリードすれば予算がかかる。こういうことに税金を投じることに拒否感を持つ人もいるだろう。でもこれから少子化対策が進んで子供が増えるようになれば今以上に待機児童の問題が起きる。そもそも国策として少子化対策や待機児童解消を掲げているのだから皆で負担して社会を支えていくと思うしかない。

 

今のところ賛成派反対派ともに感情論になってしまっているところがある。

でも感情で物事に当たると解決どころかさらに溝ができてしまいかねない。今社会はいろんな形で分断が進んでいる。

互いに冷静になり、お互いを思いやらなければならない。

今回の件で一番被害を蒙ったのは子供たちであることは間違いない。

大人が子供たちを困らせていいのだろうか。何とも後味の悪い話だ。