ジンジャーエール

辛口エールで一杯ひっかける

有給休暇の翌年繰り越し分が無いって言われたんだけど。

最近有給休暇が消滅することについてのブログが話題になりました。

様々な反響があったようで弁護士ドットコムでも有給買い上げについての法的可否などについてを書かれていました。

 

で、この有給休暇。時効が2年というのはよく知られるようになってきましたね。

フルタイム勤務で勤続年数が6.5年以上だと1年間で20日の有給休暇を取得できます。

時効が2年なので7.5年以上勤めている人は1年間で最大で20日×2年=40日分の有給を使うことが可能です。

 

1回の申請で何十日分も使う人はそう多くはないと思いますし、色々あって結局有給を全部使わずに次年度に繰り越しているパターンの人が多いのではないでしょうか。で、次の年に有給を使う…ここで一つ疑問がわきます。この有給休暇はいつの年のものなのか?

 

例えばこんな場合。

・勤続6.5年以上で年間20日有給が与えられる正社員

・前年の有給で消化しきれなかった10日分を今年に繰り越してる

・今年分の有給20日と合わせて30日の有給を保持している

 

さて、あなたは以前から計画していた旅行のため有給を10日間申請します。

で、その後友達の結婚式や法事、病欠を有給扱いにしてもらうなどでさらに10日間の有給を使った結果年間で20日分の有給を消化しました。

あなたは30日-20日=10日分の有給を翌年に繰り越したと思ってます。

つまり翌年も同様に30日分の有給を使えることになります。

そして翌年。あなたは永年付き合った彼女と結婚することになり思い切って豪勢に30日間のハネムーンを計画しました。ちなみに僕は結婚当時、忙しかった割には稼ぎが乏しく新婚旅行らしい旅行には行けてません。奥さんごめんよ。あとこのくだりは本文とはそれほど関係ありません。

で上司に30日間の有給を申請したあなたはこう言われました。

「えーっと君の使える有給は20日分なんだけど…」

 

そんなバカな。30日分あるはずだ。

あなたは食い下がります。しかし上司の答えは何度聞いても同じです。

ネムーンが10日減ってしまう。彼女に話したら案の定ご立腹。夫婦の最初の危機が訪れました。それにしても不思議だ…と思っていたら同期の人事部の人間が教えてくれました。

 

「おまえ去年10日間旅行に行ったじゃん。あの時の有給って去年の有給の中から消化されてるんだよ。んでその後さらに10日有給使ったろ?それで去年分の有給全部使ったことになってんのよ。だから今年に繰り越してないんだよ。一昨年のはもう時効で消えちゃってるし今おまえが持ってる有給は今年分の20日だけなんだよ」

 

は???え???ちょ!!!!

いやいやいや。去年の旅行10日間は一昨年の繰り越した有給10日から使うんでしょ!?

同期が言いました。「おまえ就業規則読んでないの?規定では当年分と繰り越し分の有給がある場合、当年分から優先して消化するって書いてあるけど」

そ、そんなの知らない!!

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マジかよ…

こんなの違法だ!と思ったあなた。

でもこれ別に違法でも何でもないのです。というか有給のどの部分から消化させるかについての法律上の取り決めがそもそもないのです。なので任意に設定できることになっています。まぁ有給の性格上、繰り越し分から消化するのが望ましいことではあるのですが。なので従業員との間で合意があれば有給を当年度分から優先的に消化させることは全然ありということです。え?合意した覚えはない?でも就業規則に記載があればそれが違法な取り決めでない限り包括的に合意したとみなされます。

もし就業規則などに何の記載もない場合は繰り越し分から消化させろ!と言うことはできます。一度自社の就業規則に何と書いてあるか確認した方がいいでしょうね。

 

結局ハネムーンは20日になったのでしょうか?

実は会社に特別休暇というのがあって、新婚の場合は7日間有給とは別に有給扱いになる休みがあることを知りました。予定より3日間短くなりましたが彼女の機嫌も直ったことだし良しとします。

 

このように会社によってはいろんな休暇制度を定めているところがあります。どんな制度があってどのような条件で使用できるのか、自分の権利について知っておくことはとても大事だと思います。