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残業代が補助金なら派遣の中抜きはなんだと言うのだ

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竹中平蔵氏が本音を語った。その内容がなかなか酷い。

東京新聞で高プロについてご高説を開陳しているのですが、その内容があまりにドイヒーなものだったので多くの批判が集まっています。

 

竹中平蔵氏は高プロの推進派で、高プロこそが日本経済を活性化させる切り札だと認識しているようです。

世間的には高プロが認められれば長時間労働が加速するし、残業代を支払わないで働かせることが可能になるじゃないか、との懸念があります。

しかし竹中平蔵氏からすると長時間残業するのは「時間内に仕事を終えられない生産性の低い人」であって、そう言う人に残業代という「補助金を払うのは一般論としておかしい」のだそうです。

 

僕も労働問題に携わることがあります。確かに残業代を生活給として当て込んでいる人が一定数いるのは事実です。定時まではダラダラと仕事をしておいて、定時後からやる気を出すみたいな。酷いのになると休憩と称し一旦外出し深夜割増の対象となる22時以降に会社に戻ってきて残業を開始する人もいました。こうした人たちは仕事に対して真面目でなく、生産性が低いと言われても仕方ないでしょう。

 

しかしこうした「残業代を意図的に稼いでいる人」というのは残業している労働者のうちのごくわずかではないでしょうか?竹中平蔵氏はすべての労働者はダラダラ残業して残業代という補助金を不正に受給している奴等だと決めてかかっているようなんですが、いくらなんでもそれはあんまりです。実情を知らないほど不勉強なのか、実情を知ってて無視する不誠実なのか、どっちなんでしょうか。

 

だいたい労働時間の管理はそもそも企業の側に把握し管理する責務があります。

もしも労働時間の長さと生産性が割りにあってない社員がいたら、会社が指導教育を行うべきです。それでも従わないときは業務命令違反として懲戒処分にすればよろしい。しかし実際は人手不足で残業したくなくてもせざるを得ない場合がほとんどです。この場合にしても業務量を調整するのはやはり企業側の責務です。人を雇うか、仕事を断るか顧客に対して値上げの交渉をして利益を確保するか。そういったことを企業が主体として行わないのは一般論としておかしくはないですかね、竹中平蔵君。

 

もっと言えば世の中には残業代をそもそも払わない会社もあります。

働かせておいてそれに見合った賃金を支払わないのは泥棒と同じではないのかな。

 

何より腹立たしいのは竹中平蔵氏は一向に減らない長時間労働の問題をすべて労働者のせいにしているところです。時間内に仕事が終わらない生産性の低い労働者ばかりだから長時間労働は無くならないのだし、日本経済も低迷しているのだと言わんばかりの主張です。

間抜けか。

どう考えても日本経済低迷の原因は労働者ではないでしょう。無能な企業経営者、無能な政治家、保身に走る官僚。

ある企業の業績が低迷しているとしたら、その責任は一義的には経営者にあるというのが僕の常識だったのですが、竹中平蔵君にとってはそうではないらしいです。

従業員の生産性が低いのであれば、どうすれば生産性が上がるのか従業員教育をしたらどうですかねぇ。従業員の生産性を高められないのは経営層の人事管理がうまくいってないと僕は考えます。そうした努力を企業に問わないで、生産性が低いのに残業代という補助金を支払わなければならない企業が被害者という設定はあまりに無理が過ぎます。

 

何より怖いのは竹中平蔵君は人材派遣大手のパソナの会長なんですね。となると今後の目論見としては派遣社員も高プロを適用できるように、それほど専門的で高度な内容の業務でなくても対象としたり、年収要件を引き下げたりというように経済界を通じて要望を出していくのでしょう。そうすると極端な話、ある会社の正社員は高プロの対象になってないのに、その会社に派遣される派遣社員は高プロの対象になるなどの逆転現象が起こるんじゃないかしら。

だいたい残業代を補助金だというなら派遣のマージンはどうなるんでしょう。

いや、待って。竹中平蔵氏が言うように高プロが適用されるのは「会社と対等に交渉ができるタフな人材」でしょ。高プロが浸透して自分の腕を売り込むための交渉が当たり前で会社と直接やりとりができるプロフェッショナルが増えたら派遣会社いらなくね

?と言うことはあれですね。竹中平蔵氏は遠い将来派遣に頼らなくていい労働者を増やそうとして高プロを推進しているのですね!そして派遣業界を潰してしまおうという魂胆なのでしょう。そんな深慮遠謀があるのでああれば僕は竹中平蔵君を応援するよ。でも単に一部の人だけに恩恵をもたらすタイプの経済発展を追求しているのであれば、やはり厳しく非難せざるを得ないです。

 

残業代は決して補助金ではありません。

自分達に利益を誘導することを目的として人たちが検討して骨格をつくった高プロは現状では導入は時期尚早と言えるのではないでしょうか。

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