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財布拾った

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そっと忍び込んできたのは、一度出ていったはずの夏だった。

会えるのはまた来年だと思っていたのに。

忘れ物を取りに戻ったとか、そんな風ではなく、当たり前のようにドアを開けて入ってきた。

 

最高気温22℃。最低気温17℃。

11月も下旬だというのになんていう陽気だろうか。日中は薄手のシャツ一枚で事足りる。昨日はそんな11月の穏やかな日曜日でした。

 

生まれて初めての…

そんな日曜日。

陽気に誘われふらふら彷徨っているうちに、ユニクロに辿り着きました。

上下ユニクロ部どころか気づいたら上中(インナー)下ユニクロ部になっていることもある僕はほとんどルーティンワークでもあるかのように店舗に吸い込まれました。

すると…

メンズコーナーのとある陳列棚に、一つの財布が、ポツンと佇んでいました。

使い込んだレザーの長財布で、すこしロックテイストなそれは無個性なユニクロの洋服群の中でスポットライトを浴びて異質な存在感を放っていました。

 

実は僕、この歳になるまで、“財布を拾う”という経験をしたことがありませんでした。

 

見つけちゃったものは仕方がない 

11月とは思えぬ陽気に、持ち主もボーっとしてしまったのかもしれません。

いやこの場合、落とし主というべきでしょうか。

 

さて、どうしたものか。

どこかに届け出るか、スルーするか。

(ちなみに、この時どこかに隠しカメラがあって、僕がどの様なリアクションをとるか視られているんじゃないか…などと「お前はタレントか!」と言われそうなことをほんのちょっと考えたけど、問題ある?)

一瞬迷ったけど、さすがに落とした人も困ってるだろうからとりあえずお店に知らせて預けよう、と決めましたがいざ財布を手にする段階になると変な緊張が走りました。

だって人の財布ですよ?

手に取った瞬間、落とし主が現れて「てめー人の財布に何してんだよ」とならないとも限らない…なにしろ初めてのことなので作法が分からない。財布を拾うのに正しい作法があるのかどうか知りませんが。

 

その後、僕の身に起きたこと

結局、お店の人に落とし物であることを告げユニクロを後にしました。

で、その後この記事を書くまでの間に僕の身には、そんなに大きな出来事ではないけれどでもちょっといや~な気分になる出来事が立て続けに起こりました。

嫌な客に出会ったり、買ったばかりの革靴に致命的なダメージがついたり。そんなに大したことじゃないけどちょっとだけ嫌な気分になることが続き「あれ?」と思いました。いいことしたはずなのに、僕の身には悪い事が降りかかっている…

ちょっとやさぐれる

いいことしても、こんな返しがあるなら最初からいいことなんてしなきゃ良かった。何で僕だけ。みたいな。ちょっとだけやさぐれた気分になりました。

 

善行を積めばポイントが蓄積されていずれ自分にも“いいこと”が返ってくると勝手に思っていたんですね。人生は等価交換だ、因果応報だ的な。

それで報われないと、じゃあ別に悪いことしたっていいじゃんとなる。自暴自棄。

北斗の拳の初期設定のトキみたいだ。

 

報われない人生だってきっとある

でもよく考えればいいことしたからその分還ってくるなんて人生はそんな単純なものではない。いいことが続くときもあるようにわるいことが続くときもある。

全ての人のいいことが報われるのなら、年間3万人も自殺しないだろう。

もしも善行や悪行がポイント制だったらわるいことしてまんまと逃げおおせる人間はいないだろう。いつか報いがあるはずだと考えがちだ。でも実際は“いい人”が躓いて“わるい人”が高笑いをする例が結構ある。

 

ただ、だからといって自暴自棄になったり、それならわるいことした方が得じゃないかと考えるのはちょっと違う。人生なんて報われないことの方が多いかもしれない。それでもいつか報われる日を夢見られるから生きていけるのだと思います。逆に夢見る隙も無い容赦のない社会だからこそ生きづらさを感じる人が多いのかもしれません。

 

僕はいいことしたのだから見返りがあるだろうと変な期待をしたので、わるいことがあると裏切られたと勝手に思っちゃったのですがそもそもそれとこれとは別だろという達観ができていれば腹立ちもなかったことを思えばまだまだ器が小さいなーということを思い知らされました。