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ガイアの夜明けが晒した外国人技能実習生の闇

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夜明けはまだ来ない。

 

先日ガイアの夜明けでアパレルメーカーの孫請け製縫工場で中国人技能実習生が時給400円で酷使されているなどヒドイ労働実態が明らかにされた。いったい何が問題で、どう悪質なのか知っておく必要があると思い調べてみた。

外国人技能実習とは?

まずは外国人技能実習とはどんなものであるのか。詳しくは制度の取りまとめを行っている外国人技能実習機構のウェブサイトを参照いただきたい。

 

外国人技能実習機構

(認可法人 外国人技能実習機構HPより)

 

この機構は厚労省と法務省が所管する認可法人で今年の1月に設立登記されている。独行みたいなものと考えれば良いのか。

で、外国人技能実習制度は次のような理念に基づいている。

技能実習制度は、我が国で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として創設された制度です。 

(引用:外国人技能実習機構HPより) 

つまり外国人実習生が母国の発展に寄与する人材となるために、日本の先進的な技術を学びにくるということだ。今のところ74業種133作業に限定されている。

そして、こうも言われている。

労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと 

 (引用:外国人技能実習機構HPより)

 やったもん勝ちの世界

外国人技能実習生について確実なことが一つある。それは彼らは「いずれ帰国する」ということだ。技能実習のビザは通常3年、最長でも5年と決まっている。今回問題となっている製縫工場の経営者や入れ知恵した弁護士からすると「どうせいずれは日本からいなくなるのだから騒ぎやしないだろう」という考えがあったのではないだろうか。

実際未払い賃金があったとして裁判になったとする。少額訴訟でもなければ未払い賃金の場合解決するまで1〜2年かかる。会社が倒産すればビザも失効するから帰国しないといけない。裁判のたびに日本に何度も来ることは難しい。未払い賃金は裁判途中で和解することが 多いが、これを知っている経営者や弁護士は引き延ばして和解などしないだろうことは予想できる。どう考えたって外国人労働者には不利だ。しかもそもそもどこに相談すれば良いかとか裁判の費用だとかで訴訟のハードルが高すぎる。ほとんどは泣き寝入りするしかない。

外国人技能実習生は、クソ経営者やクソ弁護士にとってはまるでリスクを取らずに低賃金でこき使ってぼろ儲けできる現代の打出の小槌だ。

 外国人技能実習は規制緩和される?

話は少し変わる。

ここ最近人手不足が叫ばれている。そこで外国人労働者に注目している経営者たちがいるのは事実だ。今年コンビニ業界が外国人技能実習制度における対象業務にコンビニでの店舗業務も加えるよう要望を出した。実際僕もコンビニ業界を含めいろんな業種の経営者から「外国人留学生が卒業後も会社で働けるような就労ビザはないのか」と聞かれることはある。答えは決まっている。「ありません」だ。

 

現状就業ビザはかなり高度で専門的な知識や技能を持つ人に限られる。少なくとも単純作業は認められていない。

就労や長期滞在を目的とする場合 | 外務省

(外務省HPより)

外国人労働者を雇う際の注意点

そもそも外国人労働者に正当な報酬を支払う気があるのかすら疑わしい場合も多い。経営者曰く「外国人は日本人よりも良く働く」らしい。かといって報酬面で良い待遇を与えているかというとそんなことはない。最低賃金に毛の生えた程度か、良くて周辺企業の相場並み程度である。要は日本人はそんな待遇じゃ誰も来ないだけだ。外国人は日本の労働法に疎いから知らないだけなんだよな。

しかも多くの経営者は勘違いしていることがある。それは外国人労働者の方が権利はしっかり主張するぞ、ということだ。たとえば年次有給休暇。日本は取得率では世界最低レベルだ。これは日本人が周囲に気を使って取らないという側面も大きい。しかし外国人労働者は年休はちゃんと請求するよ。これは自分の権利だから当たり前だと。そうなってもまだ「外国人は真面目で良く働く」と言えるのだろうか?むしろ外国人労働者は権利ばかり主張する、ワガママだと言いだすんじゃないだろうか。

就労ビザの裏技とは

現実に日本で外国人が就業ビザを取るのは難しい。しかしこれには裏技もある。と、得意満面に僕に教えてくれた経営者がいた。たとえば「通訳」の資格でビザを取得する。しかし実際は通訳の仕事をせず(そもそも通訳を必要とする会社ではない)単純労働に勤しむ、というわけだ。この経営者はこの手法をある外国人留学生をたくさん受け入れている日本語学校の関係者から教わったそうだ。それを得意げに僕に語ってくれた。

 

うん。知ってた。

 

この手法は別に珍しいものではない。ある程度外国人の就労に関わったことがある人間ならほとんど全員知っていることだ。もちろん入国管理局の職員だって知っている。この違法行為がそれほど取り締まられていない理由は知る由もない。入管も労働基準監督官のように人手不足でそこまで手が回らないのかもしれない。しかし実態を知っているのは間違いない。つまり非常にリスキーな手法だ。違法だしね。

問題は外国人向けの日本語学校や外国人受け入れの監理団体がむしろこうした手法を推進している疑いがあることだ。そこには崇高な理念などない。あるのはカネだけ。

もともと日本に来て語学を学びたいとか、日本で働きたいと思ってる人たちは日本に好意的な人たちだ。期待に胸を膨らませて来日する。それがクソみたいな経営者や監理団体によって搾取され人権もへったくれもない状態で追い出される。こうして彼らは日本にネガティブな感情を抱いて帰国する。こういう企業や団体こそ最高の反日企業だと思うのだけど違うのかしら?

日本は先進国か否か

少子化の影響で労働人口が減っているのは事実だし、劇的な改善策はない。外国人労働者の規制緩和はいずれ避けられない。しかし今回ガイアの夜明けで晒されたような事案は決して特殊な例外ではない。日本のあちこちで起きている事実だ。外国人実習制度は先進国として開発途上国の発展を助けるという理念があるのかもしれないが、日本を先進国だと思っているのは案外日本だけなのかもしれない。そう考えさせられた事件である。