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シリーズ働き方改革~中沢佑二とマリノスと定年再雇用~

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J1はリーグ戦も終わりあとはチャンピオンシップ(CS)を残すのみとなりました。CSに関係のないチームはもう来季に向けてチーム編成を始めています。そんな中ある記事に目が留まりました。なんでも横浜Fマリノスがチームの重鎮で今季もフル出場した中沢選手に対し来季年俸として約半減となる推定5000万円を提示し、それに対し中沢選手がさすがに怒りの色を見せているそうです。そりゃそうだ。僕はマリノスサポではないので中沢選手が今季フル出場したといってもそのプレーぶりがどうだったというのは分かりません。今季年俸に値するのかしないのか。いくらなら妥当なのか。いろんな査定方法があるとは思います。記事を読むとマリノスはどうやら世代交代をしたいみたいで30歳以上のベテランは軒並み減俸の見込みでもあるとか。中村俊輔選手も例外ではないようです。もちろんスポーツ選手は年齢によって衰えるというのはあるとは思いますし、チームが考える適正年俸があるのも理解できますが…

超一流の掛け声とその実態

安倍政権はしきりに「働き方改革」と言います。特に安倍首相が声高に主張しているのが「同一労働同一賃金の実現」と「この国から非正規という言葉をなくす」です。これが実現すれば素晴らしいことです。美しい国へ一歩近づくでしょう。しかし…残念ながらこれらを本当に実現する気はなさそうです。絵に描いた餅。もっと言えば選挙用の、支持率向上のための、美しいスローガンです。ただの。

例えば同一労働同一賃金。政府は非正規雇用の賃金を正規雇用の8割程度に引き上げることを目標として法案作成などに取り組む、と報じられました。これに対し当然に「同一じゃないじゃん」というツッコミが各所から入ったんですね。そして最近画期的な判決が出ました。絶望的なくらい画期的です。笑っちゃいます。

賃金額を決める基準とは

あるところに会社がありました。従業員は60歳になったら定年です。その後は1年契約で65歳になるまで嘱託社員として雇用されます。仕事の内容は定年前と全く同じです。だけど嘱託なので給与は定年前の70%に下がります。多くの企業の定年再雇用制度はこうなっています。これに異を唱える人たちがいました。

「仕事内容はかわらんのに給与だけ下がるのはおかしいやんけ!」

当然です。で、訴えた。

結果今年の5月に東京地裁で「仕事内容が変わらないのに定年を理由に給与を引き下げるのは違法」という判決が出ました。今までの慣行に一石を投じ同一労働同一賃金の実現への一歩だと感じられました。司法も政府の流れに乗っかったのでしょうか。

政府の流れに乗っかった?…ということは

さて、ここからが絶望的に画期的な判決です。(本当は5月の判決も充分画期的なのですが)

11月2日東京高裁でこの裁判の控訴審が結審し「定年で給与が下がるというのは社会的にも受け入れられているので合理性はある」と1審の判決を取り消し、請求を棄却しました。従業員、逆転敗訴です。上告するでしょうから最高裁ではどうなるんでしょうね。

同一労働同一賃金の実現に向けた重要な一歩となる判例をわずか半年後に取り消すとは…なんだか変な圧力でもあったのではと勘繰りたくもなります。

報酬ってなんなんだよ

中沢選手の例もそうですがある年齢に達したら急に職務能力が落ちるわけでもないでしょう。59歳と365日までできていたことが60歳で定年になったとたんできなくなるのでしょうか?んなバカな。そりゃ中沢選手も20代30代前半のように1対1で抜かれることが多くなったりエアバトルの勝率は落ちてるかもしれない。でもフル出場しているってことは他の選手よりも良かったといういことではないのかな。少なくとも年俸半減の合理的な理由なんてないでしょう。それこそ年齢を理由とした差別に他ならない。定年再雇用も同様だ。こういう、職務能力をよく査定せずに「年齢」という対して理由にもならない理由で賃金を決めるという日本的慣行はもうやめにした方が良い。60代70代で20代30代の若手より全然仕事できる人いるでしょうに。そんなのだから国際競争に勝てないんだよ。

変えようと思わなければ変わらない

 このままでは当分「同一労働同一賃金」も「非正規雇用をなくす」ことも実現しないでしょう。変わらない日本型雇用環境の中で今後どのように働くことと向き合っていけばよいのかをこれからもテーマごとに記事にしていきたいと思います。

 

最後に。

僕は個人事業主なのでいわゆる定年というものはありません。報酬の多寡は自分の腕一つだと思っています。そして将来は年齢という括りで勝手に仕分けされることのないカッチョいいジジイになりたいと思ってます。